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2020年07月05日19:07

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正安さんの逝去

会津取材から帰ってきた翌朝、お隣から「正安さんが亡くなった」という悲報がもたらされた。入院している情報は3カ月くらい前に耳にしていたし、生死に関わる病気であることも、危篤と回復を繰り返していることも聞いていた。だから、やっぱりダメだったかと落胆。享年72歳の早すぎる旅立ちだった。わが家から徒歩3分なのでさっそく線香をあげにいったが、正安さんは昼寝をしているような表情。いまだに実感が湧かない。

正安さんとの出会いは35年ほど前。私が都路通いを始めた頃で、当時は役場の産業課長というエリートだった。でも、反骨精神もあり、私らの村おこしに参加。まさに同志だった。「あの時代に空き家対策なんかやったんだから、いま考えたら最先端の活動だあ」と話したのは昨年である。公務員としてはいくつかの不運が重なって出世は止まったが、定年後も田舎暮らし事業を応援したり、趣味で地蜂の蜂蜜づくりにのめり込んだり、面白おかしく生きている人だった。

震災後、帰還する住民が少なかった都路では、ご近所会という飲み会が自然に発生。月に1回、持ち回りで会場となった家に料理を持ち寄り、地域の結束を確認していた。その新しい風習も自然に消滅したが、カラオケで楽しそうにマイクを握っていた正安さんの姿を思い出す。振り返れば、どれだけ杯を酌み交わし、バカ話で盛り上がったことか。おそらく最後に会話したのは部落の葬式の帳場で、「そこの農協のお姉さんは人妻だから口説いちゃダメだぞ」という憎まれ口で笑わせてくれた。持病はいっぱいあったけれど、やっぱり早すぎる。寂しくなるなあ。正安さん、安らかに眠ってください。合掌。

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