昨夜、金吾さんの通夜が渡辺家で行われた。この地域では大きな家なので、集まった人も50人くらい。新しい家だから、とても入りきれない。震災後に自宅葬からセンター葬へ切り替わっているとはいえ、通夜くらいは自宅でという遺族の気持ちが伝わってくる儀式だった。奥さんを土葬で送り出し、本人も土葬を望んでいた人だから、昔風に近づけたかったのであろう。
興味深かったのは、葬式班のご近所が入口に集合したこと。なかには東京から駆けつけたという親戚もいるから、そこで香典を受け取らなければならない。「申し訳ありませんが、入りきらないここで焼香を」と玄関でお香を用意。差し出された香典は、見えないところで香典袋に書かれた金額とお札に相違がないかを確認する作業になった。つまり、即席の帳場である。こういうことがアドリブでできるのも、自宅葬で鍛えられたきた人たちだからなのだ。
儀式のあとは、ちょっと早い精進揚げの料理をいただく。これだけの人数になると、オードブルや刺身の量も半端でない。でも、考えてみれば地元の魚屋や仕出し屋はこれで大きな収入を得ていたわけで、センター葬に変わった損失は大きいべなと改めて感じた。告別式が死後1週間にずれ込んだのは冬になって死者が増えているからだが、出棺はなんと今朝の7時10分。見送りは妻に任せたが、昔ながらの撒き銭もやったとか。金吾さんもさぞ喜んだであろう。
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