二子玉川といえば、都内でもファッショナブルな街として人気が高い。台風19号でそこが浸水が発生し、多くの家屋が被害を受けた。原因は明白。近くに多摩川が流れているのに、堤防が設けられなかった区間があるのだ。堤防があるところですら水害が発生しているのに、これでは河川の氾濫で被害が出るのは当然。堤防がなかったのは、景観を優先して地域住民が建設に反対したからなのだ。
この報道を聞いて思いだしたのは、宮城県の海岸線のかさ上げ工事でも似たような話を耳にしたこと。大規模なかさ上げで女川駅からは海が見渡せるが、それ以外は行けども行けども土の壁ばかり。ちょっとやりすぎではと私ですら思ったくらいだ。しかし、原発を壊すほどの津波が襲ってきたのだから、やはり安全第一でこういう公共工事が行われるのだ。
水は人間が生きていくうえで欠かせないもの。川や海もそれにつながっているわけだが、ときとして人間に牙をむく。それに備えて首都圏、近畿圏の873kmでスーパー堤防をつくる計画もあったのだが、12兆円・400年もかかるため縮小された。人間が天災に太刀打ちできると考える方が無謀なのかもしれない。とはいえ、こう巨大台風ばかりが襲ってくると、さすがに何とかしてほしいと思ってしまう。景観より防災という時代なのだろう。
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