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2019年12月05日06:42

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自販機からペットボトル排除相次ぐ 使い捨てプラ削減

 世界規模でプラスチックごみが問題になる中、国内の自治体や企業で、庁舎や事業所内の飲料自動販売機からペットボトル商品を排除する動きが相次いでいる。プラスチックごみをめぐっては、レジ袋やプラスチック製ストローを使わない運動も広がっており、ペットボトルを使わない取り組みが拡大するか、注目される。(張英壽)
自治体や企業で続々
 大阪府豊中市は今年4月、長内繁樹市長が、使い捨てプラスチックの削減を盛り込んだ「クールチョイス宣言」を表明。11月1日、市役所の第一庁舎1階に、ペットボトルを排除した自販機を設置した。特に苦情などはないといい、市の担当者は「ほかの市の施設にも広げていきたい」と話す。
 背景には近年、地球規模で深刻化しているプラスチックごみによる海洋汚染がある。環境省が米科学誌の論文をもとに行った試算では、海洋に流出したとみられる日本のプラスチックごみは平成22年の1年間で2万〜6万トン。国は今年5月、2030年までに使い捨てプラスチックの排出を25%抑制する目標を設定した。
 神奈川県鎌倉市では、昨年8月に海岸に漂着したクジラの死骸からビニール片が見つかり、同10月の「かまくらプラごみゼロ宣言」で、ペットボトル飲料の販売を極力廃止すると明文化。実際に今年4月から、市役所内4台の自販機からペットボトル飲料を外した。埼玉県所沢市は9月から市役所内の1台でペットボトルの販売をやめた。
 ペットボトル抑制の動きは企業でも相次いでいる。電機大手、富士通(東京都港区)は今年6月、事業所内に設置された自販機などで、ペットボトル飲料の提供をやめていく取り組みを始めた。目標は、グループ会社も含め年間約700万本あったペットボトル利用をゼロにすることという。住宅大手の積水ハウス(大阪市北区)も昨年11月以降、グループ会社とともに事業所内の自販機から順次ペットボトル商品をなくしている。

 国はプラスチックの3R(リデュース=発生抑制、リユース=再使用、リサイクル=再生利用)を推進しており、環境省リサイクル推進室では「ペットボトルのリサイクルは進んでいるが、リデュースはまだまだで、消費者がなるべく使わないようにして生産を抑えていく必要がある」と指摘している。
リサイクル率80%超 業界に戸惑い
 持ち運びに便利なペットボトル飲料の生産量は右肩上がりで、清涼飲料のうちペットボトル商品は70%を超えており、リサイクル率も80%以上と高い。このため自動販売機からペットボトルを排除する動きについて、業界団体からは戸惑いの声も上がっている。
 飲料メーカーでつくる全国清涼飲料連合会によると、ペットボトルの生産量は平成30年には清涼飲料のうち74・6%を占め、ほとんどの自販機にある。同年までの10年間で、生産量は約1・5倍に増加した。同連合会の広報担当者は自販機からペットボトルが外されることについて「顧客の選択肢を狭めることになり、残念」と肩を落とす。
 また、PETボトルリサイクル推進協議会によると、ペットボトルのリサクル率は20年度以降、85%前後で推移。米国は20%台、欧州は30〜40%台で、日本は世界最高水準という。さらに同協議会は今年、2030(令和12)年度までに、リサイクルのほか焼却熱の利用で100%有効利用する目標を定めた。幹部は「プラスチック製品の中で、ペットボトルはリサイクルのトップランナーで、自販機で販売をやめる動きには違和感を覚える」と疑問を投げかけている。

https://www.sankei.com/life/news/191203/lif1912030021-n2.html

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