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2019年09月23日14:02

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前澤氏のZOZO売却は得策だったのか?富豪なのになぜ借金が?素朴な疑問を解説

9月20日、ZOZO前社長の前澤友作氏がTwitterで、秘書と広報を緊急募集した。「僕の新しい活動(まだ具体的に決まってないけど)を手伝ってください」とのことだが、早くも何か始動するのだろうか。
 ヤフーによるZOZOの買収と、前澤氏の電撃解任が発表された9月12日以降、さまざまな報道がされている。前澤氏の“涙の会見”にグッと来た人もいるだろう。週刊文春・週刊新潮などによる「実は借金で火の車」報道で、「なぜ富豪なのに借金?」と思った人もいるだろう。
 今回の買収劇は結局、何のためで、誰が得したのだろうか?
 デジタルマーケティングに20年近く携わり、国内外のECにも詳しい熊村剛輔氏に話を聞きながら、誰にでもわかるように振り返ってみた。
◆前澤氏にとってZOZO売却は得策だったのか?
 
 まず、前澤氏がZOZOを売却したのは、ズバリ得策だったのだろうか?
「結果的に見れば、ZOZOという企業としても、そして前澤前社長としても、良い決断だったのではないかと思います。
 まず“企業として”は、今後 ZOZOが大企業として次のステージに進んでいくには、これまでの経営方針を変更しなくてはならない面もありました。今回の売却は、トップの交代、企業文化の変革を一気に行えるという点で意味があったでしょう。
 また、前澤前社長にとっても、良い判断だったと思います。既にZOZOは、社長一人ではコントロールできないほど大きな組織となっています。自分の事業をやりたいように進めることを優先するとすれば、一旦ZOZOから離れて区切りをつけ、新しいビジネスを始める方が得策だろうと思います」
◆富豪なのになぜそんなに借金があった?
 また、前澤氏は所有するZOZO株をヤフーに売ることで、約2400億円(税引前)を手にすることになり、その点でも「得策」だっただろう。サラリーマンにはピンと来ないかもしれないが、前澤氏は富豪といっても持っているのはZOZO株であり、それを誰かに売るなどして現金化しなければ使えない。そしてZOZOの株価が下がるほど、当然、前澤氏の資産は目減りする。
 昨年5月に、前澤氏は所有する600万株を、ZOZOに約240億円で売って現金化している。そのためにZOZOは銀行から240億円を借り入れており、会社=社員たちが何年もかけて返していかねばならない。
 また、前澤氏個人もZOZO株を担保に銀行から借り入れをしている。これらは、ZOZOの財務諸表や、株の大量保有報告書で公表されていることだ。
(前澤氏個人の借金2000億円と報じた週刊新潮の取材に、前澤氏自身は「2000億円はおそらく担保価値の額で、借金はそんなにない」と答えている。が、担保額から見て相当額の借り入れだろう)。
 数億円の株をちょこちょこ売るだけで贅沢はできるはずだが、前澤氏のような破格の金遣いで数百億円を現金化しようとすると、買い手はなかなかいない。
 借金しないと現金化できない現状ならば、「ヤフーが1株2620円で買ってくれる」のは"いい話”だったはず。かくして、前澤氏は「自由と現金」を得たということだ。
◆前澤氏は今後も輝き続けるか?
 前澤氏は、今後、宇宙旅行と新規事業をやりたいと述べている。
 有名起業家が事業を売却したあと、新たに起業して成功する例は、欧米では珍しくないらしい。だが日本では、「あの人どこに消えたの?」というパターンや、自己啓発書かオンラインサロンで見かける程度の人も…。
「たしかに日本は、海外に比べて、いわゆるシリアルアントレプレナー(連続起業家)が少ない印象があります。その大きな理由はいくつか考えられます。まず、海外と比較して、起業をする人がそもそも少ない。そして、起業して例えば IPO 等で大金を手にした後、(自身では起業をせず) 個人投資家として、新しい起業家のサポートに回るケースが多いこともあります。自分でやる、というよりは“後進を育てる”というマインドが強いのかもしれません」(熊村氏)
 起業にせよ後進育成にせよ、前澤氏には"若者の希望の星”であり続けてほしいものだ。
◆孫正義氏にとって、ZOZOは“いい買い物”だったか?
 一方で、ヤフー、つまり孫正義氏にとって、ZOZOは“いい買い物”だったのだろうか? 3大ECモールのうち、アマゾンや楽天の後を追うヤフーショッピングだが、ZOZOを買ったことで巻き返せるだろうか。
「それは、ヤフーが今年10月に開始する予定の『PayPayモール』がカギを握ると思います。既にPayPayモールの目玉店舗として、ZOZOTOWNの出店が予定されていますし、(現在色々と問題を抱えてはいるものの) LOHACOの出店も発表されています。こういったオンライン通販や 、LOHACOなどに見られるオリジナル商品の開発、市場投入のノウハウに加え、さらに自分たちの決済サービスを上手く利用し、巻き返しをはかると思われます。
 ECのノウハウが非常に豊富なZOZOの影響は、ヤフーの物販事業全般に対して良い影響を与えるでしょう」
前澤氏が去ったZOZOは、次々と新しいことをブチ上げるのでなく、地味に見えるがアパレル通販の地固めに立ち返るだろう、というのが熊村氏の見立てだ。
◆カリスマ性がプラスになる場合、マイナスになる場合
 それにしても、前澤氏のカリスマ性は、良くも悪くも日本人離れしていた。国内外の起業家を多数見てきた熊村氏は、「ゼロから新しい事業を興し、大きく成長させることができる方は、誰しも強烈な個性とカリスマ性を持っている」という。
 ただし、「その強烈な個性やカリスマ性を、うまくビジネス方面にコントロールすることができる周りの方々によって、プラスに働く場合とマイナスに働く場合があるのではないか」とも指摘する。
 
 創業時、前澤氏は自らアパレルを一社一社説得して、ZOZOを作り上げた。だが、この数年は、剛力彩芽との交際やハデな私生活ばかりが注目されてしまった。その才能を「ビジネス方面にコントロールする」ブレーンを得れば、新たな「人と社会の役にたつ事業」(by前澤氏)を実現してくれるかもしれない。
【熊村剛輔 氏】
1974年生まれ。プロサックス奏者からIT業界に転身し、エンジニアやオンライン媒体編集長などを経たのち、広告代理店やアパレル企業でデジタルマーケティングに携わる。講演、執筆多数

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