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2019年08月27日18:06

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害虫被害はデマ? 農水省「現時点で影響ない」 米産トウモロコシ大量輸入で“忖度報道”

日米首脳が25日の会談で合意した米国産飼料用トウモロコシの大量輸入について、農業関係者から疑問の声が上がっている。
 菅義偉官房長官は27日午前の会見で、安倍晋三首相が表明した大量輸入について「(日本国内で)供給が不足する可能性がある」と説明した。日本では、7月からガの幼虫である「ツマジロクサヨトウ」の発生が確認されていて、九州地方を中心に11県で被害が出ている。そのため、米国から年間輸入量の3カ月分にあたる275万トン程度が輸入される見込みだという。トランプ米大統領は日本の輸入額について「数億ドル(数百億円)」と述べている。
 では、ツマジロクサヨトウの被害はどの程度なのか。275万トンを輸入するということで、すでに供給不足になっているのかと思いきや、農水省に確認したところ「現状で営農活動に影響は出ていません」(植物防疫課)と話す。発生が確認された地域では、大量発生を防ぐために防除や早期の刈り取りを促しているが、作物への影響はわずか。「現時点で被害量はまとめていません」(同)という。
 ツマジロクサヨトウは、アフリカやインドなどで農作物に大きな被害を出した危険な害虫であることはたしかだ。ただ、熱帯・亜熱帯原産であるため寒さに弱く、「気温が10.9度を下回ると成長が止まります。最低気温が10度を下回る日が続く地域では、越冬は難しい」(同)という。
 現在でも発生が確認されているのは西日本以外では茨城だけ。日本での飼料用トウモロコシの生産量(年間約450万トン)の半数以上を占める北海道では発生が確認されていない。
 また、米国から輸入するのは実を使用する「デントコーン」と呼ばれるトウモロコシだ。一方、日本で被害が出ているのは葉や茎を砕いて利用するトウモロコシ(サイレージコーン)で、性質が異なる。鈴木宣弘・東京大教授(農業経済学)は、こう話す。
「牧草と同じようにおもに繊維質を与えるサイレージコーンと、栄養を与えるためにトウモロコシの実を与えるデントコーンでは別のものです。家畜を育てるには2つをバランス良く与える必要があります」
 つまり、今回のトウモロコシ大量輸入は、害虫被害がわずかであるだけではなく、仮にこれからツマジロクサヨトウが大量発生しても簡単に代替の飼料として使用することはできないことになる。
 それではなぜ、政府は「害虫被害」を理由にトウモロコシの大量輸入をするのか。前出の鈴木教授は言う。
「安倍政権は、米国との貿易交渉に入る前に『TPP水準』を交渉の土台とし、国内にも『TPP以上の譲歩はしない』と説明してきました。それが、米中の貿易摩擦であまっていたトウモロコシを日本が輸入することになると『TPP超え』になってしまう。そのことをごまかすために、『害虫被害が発生した』と説明したのでしょう」
 米中の貿易摩擦が激化するなかで、トランプ大統領はトウモロコシの輸出先を探していた。それを日本が引き受ける形となった。だが、害虫被害がほとんどおきていない現状では、輸入されたトウモロコシは大量にあまる可能性が高い。
「害虫被害が限定的であることは調べればすぐにわかるのに、ほとんどのメディアがそのことに触れていません。安倍政権の説明を“忖度”してそのまま報道するとは、情けないとしか言いようがありません」(鈴木教授)
 安倍政権は、トウモロコシの大量輸入に向けて新たな補助金制度を作るという。莫大な税金を投入して得られる“国益”とは何か。ただ、トランプ大統領が上機嫌であることだけはたしかなようだ。(AERA dot.編集部/西岡千史)
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