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2019年08月26日16:46

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話の肖像画】ファーストリテイリング会長兼社長・柳井正(70)(10)世襲はうまくいかない

〈昨年11月の定時株主総会を経て、長男の一海(かずみ)氏、次男の康治(こうじ)氏をそれぞれ取締役に充てた。創業家が監督する体制の強化だが、それに先立つ記者会見では「決して2人が経営者になるということではない」と話し、次期トップとして世襲させる意向はないと説明。一方、自身の去就については「退任することは考えていない。必要とされるうちは仕事をしたい」と述べた〉
 僕は、世襲ではうまくはいかないと思っています。というのは、グローバルの会社をつくらないといけないでしょう。世襲というのは、特にアジアの国で多いですよね。でも、僕らはアジア以外でも事業をしなければいけない。僕は、うちの子供は2人とも優秀だと思っていて、執行役員などと比べても、それ以上の能力があると思う。もし、うちの子供が飛び抜けて優秀ならば社長にします。でも、飛び抜けて優秀ではないんでね。
 〈一海氏はゴールドマン・サックス証券などを経て平成21年に入社し、取締役として「創業家の者として、長期的な視点を持つ」と表明。康治氏は三菱商事などを経て24年に入社し、同じく「創業家の一員として取締役になることの意味を自らに厳しく問う」と抱負を語っている〉
 仕事をしている社員の人は、「できたらそこの社長になりたい」と、みんな思っていると思うんです。なれる環境をつくりたい。世界中のどこで会社に入っても社長になれる、そういう会社にしたい。僕の2人の息子には、ガバナンスをやってもらいたい。同族企業でありながら、公開企業をやりたい。今の日本で言えば、トヨタ自動車ぐらいですかね。米国でいったら、ウォルマートとか、そういう会社。それがやっぱり、一番うまくいっている。そういう形が社員にとっても、公開会社で同族会社である形態にとっても、一番良いんじゃないかと思っています。
 〈創業者の父、等氏は、柳井氏が25歳の時に実印を渡して事業を任せた〉
 あの頃とは状況が違ってしまった。株式公開をする前までは、息子たちに「継いでくれ」と、ずっと言っていました。でも、株式公開の本質をよく考えたら、それは「会社を市場で売ります」ということです。僕がうちの息子に期待していることと、市場が求めていることは、違うのではないかと思いました。ユニクロがブレークする前かブレークしたころ、「悪いけれど、今までは社長になってくれと言っていたけれど、会長か副会長になってくれよ。そっちの方が社長になるより、よっぽど大変だし、よっぽど勉強しないといけないし、それが会社が成功するもとになるから」と、息子たちにお願いしました。
 〈次世代に社長を引き継ぐには、あと何年かかるのか〉
 ある程度の形をつけるのは、あと1年でしょうね。うーん、あと1、2年。でもバトンタッチする可能性があるかは、ちょっと分かりませんね。(聞き手 吉村英輝)
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