mixiユーザー(id:65133463)

2019年08月21日20:42

68 view

円と金への逃避加速、景気減速の懸念根強く

金や安定配当株、円といった安全資産が買われていることは、貿易摩擦や世界成長の鈍化を巡る投資家の不安を浮き彫りにしている。
 米国の主要株価指数は記録的な水準近辺にとどまっているが、その一因は同国経済の好調が続いていることだ。しかし、経済に敏感な市場の指標は今後の低迷を示すシグナルを発している。
 ビアンコ・リサーチを率いるジェームズ・ビアンコ氏は「相場のムードは現在、非常に不確かだ」と述べた。「一度に多くのことが起きており、投資家はどう解釈すべきか確信を持っていない」という。
 先進国の国債相場が7月以来上昇していることから、欧州では利回りが過去最低に低下し、マイナス利回り債券の世界残高は15兆ドルを超えている。世界で最もパフォーマンスの良い主要通貨は、以前から神経質な投資家に人気の円だ。金は約6年ぶりの高水準にあり、その年初来上昇率はやはり2桁上昇のS&P500指数を上回っている。金と同指数の年間上昇率が2桁を記録した年は、過去40年間に4回しかない。
 S&P500の中で過去1カ月に上昇したセクターは、不動産、生活必需品、公益事業だけだった。不安定な時期には、投資家は比較的安定した利益と高配当を理由にこうしたセクターを選好する傾向にある。
 投資家はこの1年、世界経済の減速が10年にわたる米国の景気拡大に終止符を打つとの懸念を抱えてきた。これまでの兆候は経済成長の継続を示しているが、景気後退の兆しがはっきりした時に備えてヘッジをかける運用マネジャーが増えている。
 投資家は今週、前回の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨を分析するだろう。連邦準備制度理事会(FRB)が貿易摩擦による経済的影響に備えるため利下げを続けるとの見方が多い。ジェローム・パウエル議長がジャクソンホールで行う講演での発言も相場を動かし得る。
 多くの投資家は、貿易絡みの先行き不透明が数カ月ないし数年続くと考えている。ホワイトハウスが先週、9月1日に実施予定だった対中関税の一部を12月まで延期すると発表した後でさえそれは変わらない。その他の懸念は、英国の欧州連合(EU)離脱、イタリアやインドや朝鮮半島などでの政治的摩擦、香港の暴力的な抗議活動に集中している。
 金利低下は、少なくとも短期的には株の好材料になるはずだ。金利が下がれば株がより魅力的に見える。
 だが多くの投資家は、世界中での利下げが経済活動を活発化させるとの説を依然疑っている。また、欧州と日本を中心に積みあがるマイナス利回り債券や米国債利回りの記録的低水準は世界経済にとって不吉な兆しかもしれないと考えている。
 PGIMフィクスト・インカムのチーフ投資ストラテジスト、ロバート・ティップ氏は「こうした低金利が成長を促すと考えられてきたが、そうなってない」と話す。「それが示すのは、金利がなお高すぎる可能性だ」
 ティップ氏はポートフォリオに長期債を保有している。金利の低下につれ価格が上昇すると見込んでいるからだ。
 バンクオブアメリカ・メリルリンチ(BAML)が2〜8日に行った調査によると、金融危機後のどの時期よりも債券について強気なファンドマネジャーが増えている。向こう1年以内の景気後退を予想したマネジャーの割合は3分の1超と、約8年で最大だった。
 投資家の懸念を一助に、金と株の年初来上昇率はいずれも15%を超えている。
 一部の投資家は貿易を巡る先行き不透明を乗り切るために米株を選んでいる。国内成長が比較的安定していることや世界的な超低金利を追い風にするとの見方からだ。S&P500種指数の配当利回りは最近、10年物米国債の利回りを上回り、ケロッグやゼネラル・ミルズといった消費財銘柄が上昇している。
 一方、金上昇のシグナルが一段と強まったとみる投資家もいる。
 ニュートン・インベストメント・マネジメントのアロン・パタキ氏は「世界成長が好転すると言うには時期尚早だ」と述べた。同氏はここ数カ月に金などの安全資産のポジションを引き上げた。
 低金利に助けられ、市場は経済への懸念をこれまで何度も乗り越えてきた。金が1オンス=1900ドル近辺の最高値をつけた2011年もそうだった。低い債券利回りも金の追い風だ。
 グラディエント・インベストメンツはこのところ金を選好している。同社のポートフォリオマネジャー、マリアン・モンターニュ氏は「多くの人はボラティリティが好きではないため、市場に対する緩衝材を見つけようとしている」と述べた。「私たちは貿易に関するツイートが終わったとは考えていない」としている。
6 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する