東映アニメーションがサイバー攻撃を受け、ランサムウエアでデータを暗号化されて修復不可能になったのではないかと言われているが、その結果、映画ドラゴンボール超スーパーヒーローの4月公開が延期になった。
毎年、名探偵コナン、クレヨンしんちゃん、ドラえもんを擁する東宝系がゴールデンウイークを制する中、東映系の今年の切り札が失われてしまったわけで、この機会損失の挽回は困難だ。
それでもなお、空いた上映スケジュールを何かの映画で埋めるために、梅田ブルク7が取った手段は、映画ファンを驚かせた。
・「ガールズ&パンツァー最終章第1話〜第3話」3本立て、7.1ch音響上映
・「少女☆歌劇レヴュースタァライト ロンド・ロンド・ロンド」&「劇場版少女☆歌劇レビュースタァライト」2本立て、(関西では初めての)無発声応援上映
・「KING OF PRISM by PrettyRhythm」&「KING OF PRISM -PRIDE the HERO-」2本立て、(コロナ禍以後、久しぶりの)無発声応援上映
これを1週間毎日やるというのだ。ドラゴンボールで空いた穴がいかに大きいかということが伺えるが、急場凌ぎの企画としては悪くない。
正直、ガルパン最終章はATMOS音響上映でないなら、わざわざ行かなくてもいいかと思った。他のガルパンおじさんも同様らしく、予約状況は良くないようだ。新作上映までの間隔が長すぎて、若いアニメファンのガルパン離れが大きくなっているという話も頷ける。
一方、スタァライトは昨年以降、小規模公開ながらロングランして、ずっと客足が途絶えない根強い人気ぶりだった。今回の復活上映でもそれは変わらず、集客はなかなか好調のようだった。もっとも、そのファン層が応援上映を望んでいるかどうかはちょっと微妙で、事前の評判ではまったく盛り上がっていないということだった。
なので、4時間まったく応援上映として盛り上がらないことも覚悟して観に行ったのだが、いやいや、なかなか楽しかった。ペンライトを振る人は非常に少なかったが、レヴュー(歌)が終わる度に拍手をしていると、つられて拍手をする客が増えていき、応援上映としての体裁は一応は整っていたという感じだった。
何より、自分自身が楽しめたので良し。振りたいだけペンライトを振れたし、そうやって能動的に映画に向き合い、キャラクターに肩入れすることで、初見では意味不明だった映画の内容が、頭にスルスルと入ってきた。これは思わぬ誤算。結果オーライ。
そしてキンプリは、もう確固たる地位の元祖応援上映作品であり、これは強い。声を出せない代わりに、拍手と手拍子を駆使して応援上映を盛り上げていた。コロナ禍のために声出し応援上映が不可能となった現状では、ペンライトと拍手だけで応援上映を盛り上げるのは非常に困難だが、キンプリとテニプリのファンには、それが可能だ。
キンプリ勢のペンライト芸は見事なもので、見ているだけで楽しい。応援上映は予告編の段階から始まっており、ククルス・ドアンの島の予告編でビームサーベル二刀流のガンダムが登場すると、みんなピンクのペンライトを両手に持って、すすっと掲げ上げる。その統率力たるや、他の応援上映では見られないものだ。
キンプリは楽しい。すべてのアニメファンにキンプリの応援上映を劇場で観てもらいたい。
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