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2021年07月28日19:50

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800年前の遺構を目の前で見る

 散歩がてら、というかスマートウォッチを装着するようになって一日の歩数がしっかりと記録されるので、歩数稼ぎ目的でちょっと遠いスーパーへ。
 途中、遺跡の発掘現場のそばを通った。うちのあたりは家を建てるとき、発掘調査が義務づけられている。そこでなんらかの遺跡が少しでも見つかったら、市の工事許可は中断されて調査を命じられるのだが、鎌倉時代の中心街のため確実に遺構が出て来る。運が悪いと(?)、家の建て替えは1年近く遅れることもある。
 簡易柵越しに作業を見ていると、一人だけ作業着を着ていない公務員っぽい若者がバインダーに目を遣りながら作業員に話し掛けていた。数分後、彼が柵から出て来ようとしたので、声を掛けてみた。
「石がコの字状に並んでいるのは礎石なんですか」
 と尋ねると、
「そうです。かなり大きな倉の跡ですね」
 と応えた。
 それから彼と駅のほうに向かって歩きながら、質問攻めをした。
 たとえば「石は主柱の下に置くでしょうから4隅だけでは?」「あの遺構の近くでもう一箇所、発掘調査をしていますね?」「あの礎石の上に建っていた倉はいつの時代のもの?」等々。
 彼は一つ一つの質問に対して丁寧に説明する。「鎌倉時代だと思われますが、厳密に言えば南北朝の可能性もあります」「そばの滑川は当時、物流運河の役割を果たしていましたから、まあ今で言えばAmazonの倉庫みたいなものだと理解するのがいいでしょう」「先の発掘現場は鎌倉一の大商店街に面しているので、いろんな出土品が出てくるのではという期待感があります」
 ちなみに、私が覗いていた発掘現場からは「常滑と磁器が出て来ました」と述べていたが、常滑って常滑焼のことなのか、普通名詞なのかも、私にはわからない。
 うちのあたりは地下を1メートルくらい掘ればたくさんの物が眠っているようで、「歴史文化交流館」にはまだ使えそうなほど綺麗に遺っていたお茶碗が展示されていた。
 さてスーパーへ。土用の日らしく、ウナギの蒲焼きが普段より多めに並んでいた。ウナギは苦手なので(ウソ)、安い西京漬けを買って気持ちをごまかした。
 帰宅してすぐ、ラズリを連れて先ほどの発掘現場アゲイン。その時はiPhoneを携帯していなかったので、発掘現場を写真に収めたかった。
 作業されているかたがまだいらっしゃったが、私がスマホを掲げても断られなかった。たぶんたまに私みたいな輩もいるだろうな。とりわけこの現場のように、遠目から見ても遺構だとすぐにわかるところだと。
 10回くらいシャッターを押して、引き上げた。
 ワクワク感で気持ちが少々ハイになる。昨日、北東北の縄文遺跡群が世界文化遺産に登録されることに、というニュースがあって、4千年前の日本をちらっと想像したのだが、今日は目の前で800年前の遺構を垣間見ることができたのだった。
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