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2020年09月09日20:59

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ここ数日のことなど

 そろそろ2カ月を迎える。まるで取り憑かれたように、詩人の原稿と向きあっていた。躍起になっていたなどと書くと生真面目に映るが、かなり違う。特別な才や教養が備わっていない身としては、詩人の字の癖を掴み、それを忘れず、むしろ積み重ねて固有の知識を増やし、正確性を高めていく努力をせざるを得なかった。
 そろそろこのテンションを緩めてもいいか、と思い始めたのが先週末の夜で、10日ほど前に献本された文庫本を読み始め、翌日の日曜日はその文庫を持って電車に乗った。片道1時間ちょっとの小旅行に出掛けてみよう。
 行き先は東名高速大井松田インターの「松田」で、ヤフオクでたまたま目に入った商品の現物を見に行くのが目的だった。
 朝、事前に連絡をいれた。駅から車で10数分だと言うので、松田駅に着いてから電話をした。コンビニでおにぎりを買って食べるつもりなので、到着時間は敢えて言わなかった。
 駅に着いてから電話を入れる。マイボトルに珈琲を淹れたのをリュックに入れているので、鮭のおにぎり1個だけを購入。駅舎の日陰で食べて一服していたらほどなく彼がやって来た。
 電話時間の総計は1分ほどの会話だが、相手は日本人だとばかり思っていた。が、縦横とも私より二回りは大きいアラブ系の男がやって来たのだった。
「日本語、上手いね」と彼に言うと、「もう30年になります、日本に来て」と倒置法を巧みに使う。
「イラン人ですか_」と訊いたら、「なぜそこまでわかる?」と逆に質問されたので、真正直に「30年くらい前、あなたみたいな人が上野周辺でよくヤクを売っていたから」と応えた。その瞬間、彼はショルダーバックから拳銃を取り出して私の頭に銃口を向けた、という展開にはならず、苦笑いしていた。否定すればいいのに(笑)。
 サッカー日本代表はこんなガタイのいい野郎どもと試合をして勝ったりしているのか。
 が、彼が見せた商品はいかにも怪しく、しかも私が2、3質問をしたら、なんとなく痛いところを突いたようでしかめっ面をしたので、取り引きを止めることにした。
 午後1時の松田は、北側に丹沢山系があるためかフェーン現象で猛烈な暑さだった。私は汗をかいていなかったが、イラン人(?)は顏からも腕からも汗が玉になって出ていた。マジでクスリの売人だったりして(笑)。
 松田町は観光をするようなところもないから、帰ることにする。往きは電車から景色を見る時間が多かったのでマイミクさんの文庫は20ページくらいしか読み進められなかったが、帰りはクーラーがよく効いた車内ゆえちゃんと読書にいそしもう。
 
 昨日は戦争加害展のメンバー会に出るため横浜へ。
 7月の展覧会で3名の人が活動に加わった。そのため、会合では最初、簡単な自己紹介を全員することとなる。
 代表幹事が「この会は政治的活動団体でない」「この会で党派的な勧誘、宗教的な勧誘は認められません」というようなことを伝えたのだが、かれこれ2年半、末席で活動を見てきた私には合点がいく。個別事案、それは沖縄の基地問題であったり、憲法九条だったり、731部隊の歴史的検証というような、社会的歴史的な勉強や活動を各人各様がおこなっているものの、メンバーが一緒にやる行事は戦争加害展だけ。学習会さえない。
 個人的な付き合いはいっさいしていないので彼らの経歴や政治観はわからないものの、こういう人たちを見ているとほっとする。自分の頭で考え、自分ができることをやる。安っぽい正義感はなく、一歩間違うと武者小路実篤の小説に出てくる真理先生みたいな性格者が多い。これはもうひとつ私が関係しているグループにも言えることで、成熟した市民活動団体というのはお人好しで、ニッポンの弱点である似非愛国心ブームに警鐘を鳴らす真の「愛国者」のように、私には思えるのだ。
 会が終わったあと、7月末から2週間、石垣島に行って自衛隊基地建設反対の運動に参加したメンバーに「お疲れ様でした。先週、石垣島に住む画家のブログを読んでいたら、基地に関する住民投票で反対票が多かったのに市長は無視を決め込んだという事案が書かれてましたよ」と伝えた。彼は我が意を得たりという顏になって、「ふたたび琉球は日本の捨て石扱いですよ」と自嘲した。
 なんとなくそんな会話から、来月予定している沖縄問題の講演会を私が手伝う、という展開になってしまい、ああ調子乗ってこんなことを言うんじゃなかった、と反省。
 会合に出る前、横浜駅から歩いて7分くらいのところにある珈琲豆の専門店に寄って、3週間分くらいの豆500グラムを買い、浅煎り指示でローストしてもらった豆がリュックに入っているものだから、心が弾んでいたのだった。
 会の終了後、飲んべえたちは近くの居酒屋へ。個人的な繋がりを持ちたくない私は遅い夕食をとるべく横浜駅に向かう。
 頭の中では元祖横浜系濃厚豚骨の「吉村家」へ行くつもりだったので、駅を通り越してそのまま南方向へ歩いたのだが、途中に「松屋」があって、入口脇に「牛丼320円」というポスターが目に入ってしまう。で、近づいてみると、この他に具だけ大盛りが390円ということを知り、突如、「肉食ったろ!」という昂揚感を覚える。この時間、吉村家では長い行列が待っているはずで、あたま大盛りの牛丼でいいかと考え直したのだった。
 場末の牛丼屋でも今は透明アクリル板で席と席を仕切っているのね。
 店内は5割くらい空席だった。
 半分食べたところで、味が単調なために飽きてきた。当初の意気込みはどこへやら。
 しかし残すのもせつないので最後まで食べきった。
 午後8時前の横浜駅周辺は、ひどく混んでいた。コロナ自粛の痕跡が全く見られない。
 駅前にあるパソコン専門ショップに寄って、USBメモリーを買った。作業データはパソコンのHDDとUSBメモリーと外付けハードディスクに保存しているのだが、それでもデータ破損が心配で、もう一つメモリーを買って予備にデータを残してもいいかと。
 帰りの電車でiPhoneを取り出したら、友人からメールが入っていた。
 先日、電話をしても出なかった元上司は……今年2月に亡くなっていた、とのこと。
 やっぱりそうか。家電に電話してもこの番号は使われておりませんだったもんな。
 昨年の春から1月末まで私は外出がままならないような身体だったから仕方ないと言えば仕方なかったのだが、出不精という性格にも一因がある。これからはもう少し積極的に動かないと、後悔することが増えるだろう。
 
 本日の夕方、トップニュースは男優のマリファナ保持事件だった。
 何分にもわたって伊勢谷友介という男を紹介していて、私は彼のことをよく知らなかったので逆に興味が涌いた。三宅一生と遠い親戚関係で、現役で東京芸大に入り、続いて院を出て、ボランティアや独自の学校を作るという社会貢献活動に積極的で、個性を尊重する考えの持ち主で……と聞いているうち、「なんだ、大した奴じゃないか」と思ってしまう。
 容疑はたかだか自宅に乾燥大麻40本分相当の保管だ。これほど騷ぐようなことか。
 個人的には、浴びるほどの酒を呑んで、くだをまいたり駅のホームでゲロを吐いたりするやつより、端正な生活をしているけど時々プレッシャーにくじけてマリファナに手を出してしまうという人間のほうが、なんぼかマシだと思うけどな。これが覚醒剤とか違法ドラッグとかシンナー系のように、身体に毒が蓄積されるがごとく蝕まれていくというのなら悪であるが、大麻は酒やタバコに較べて中毒性は低い。
 京都で浪人していた頃、夜、ロック喫茶に行くことが多かった。絨毯張りの不良の巣「飢餓」に行くと、夜も更け出した頃、マリファナが隣から隣へと次々に回ってくることが幾度かあって、みんなでマリファナを吸ってハッピーな気持ちになるんだったらそれはそれでハッピーじゃねえかあ、くらいな気になった。
 そんなふしだらな生活が祟って京都から「都落ち」の羽目となって横浜へ来たら、今度は今度で本牧のバーでは普通にマリファナが売っているし、横須賀のドブ板通りへ行けば「米軍御用達のタバコ屋で普通に買えるじゃん」という噂があるくらいだった。
 時代が違う、などと訳知り顔は言うが、それなら金をばらまいて選挙に当選するとか、お友だちのFラン大学に100億円以上の金を使って獣医学部を作ってやるとか、イスラエルとかロシアとか行く先々で100億円と桁が一つ違う単位の「経済支援」を約束するとかは、どうなのよー? 機密費使って寿司屋での接待、右系ネット世論の支援をやるより、精神的なダメ男がマリファナ吸っちゃうほうが、まだましだと思う。
 昔はよかった、というのは年寄りの繰り言であるが、自分が80年代直接に会ったり見たり話したりしたミュージシャン(小泉今日子と小林旭を含む)をYouTubeで片っ端から探して観た結果、ふたつのことを確信した。
 昔は個性的だった。
 昔はゴージャスだった。
 一見したら21世紀は映像処理がアナログ時代の100倍、技術力が上がって綺麗に見えるけど、80年代のライブは華やかでバブリーで表現豊かで、定番をぶち壊す志向が強い。
 右向け右、の人は苦手であろう(笑)、
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