煽り運転で思い出したことなど

　今日で1カ月半だ。約200ページの解読と打ち込みが終わった。ざっくりと予想したところ、15パーセント前後くらいか。ということは、あらためて一つ一つ見直しの作業もやるとしてちょうど1年で終わる、というシミュレーション。怠け者のくせに意外と進むものだ。
　夕方、ニュースを見ていて、常磐道の煽り運転で日本中のドライバーの怒りを買った男に3年8カ月の求刑、というのがあった。去年の8月らしいから、ちょうど1年か。
　男の名前を忘れていたのだが、逮捕直前の様子が日テレの「バンキシャ!」で流れたのを見ていて、事件当日に同乗し逮捕まで一緒に行動していた女に「キモトさーん、キモトさーん！」と助けを呼んでいたことを思い出す。キモトさーんというイントネーションが「おかあちゃーん、おかあちゃーん」という迷子になった子どもの叫び方と同じで、「ええ歳こいたおっさんのセリフやないやろ」などと私は嗤っていたのだった。ところでキモトさーんも罪に問われたんだろうか。
　クルマ関連で、それより数カ月前に池袋の繁華街で起きた「上級国民爺」の暴走事故をふと、思い出す。その事故が尋常ならざる運転ミスだったことから、以来、1カ月に亘って毎日毎日毎日毎日、テレビニュースで老人特有の運転事故、それもコンビニのガラスにぐしゃっと突っ込んだり、立体駐車場の壁を突き破ったりという恐ろしい事故なのだが、ある日突然のように、高齢者運転事故は無くなった。キモトさーんの男が煽り運転をした頃、既に日本全国の高齢者は事故を全く起こさなくなっていたのである。……不可解としか言い様がない。
　今し方、ラズリを少しの間、散歩させたのだが、ずいぶんと涼しい。昼間はチョー暑かったにもかかわらずだ。
　今日で8月が終わる。季節にはっきりとした線引きなんてないが、こうして夏に”衰え”の兆候が見られると、いちさびし、という気になった。