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2020年04月08日23:31

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のろま、ぼんくら、すかたん、まぬけ、たわけもの

 思わぬことで時間を費やしてしまった。
 昨日の日記で作家のマイミクさんからコメントをいただき、午前10時半、彼が紹介した自著を確認するためAmazonで検索をした。検索結果は130冊で、ざっと見て行くと読んだ本が6冊か7冊あった。この数の曖昧さは山をめぐるエッセイ・紀行30篇を収めたアンソロジー『言葉ふる森』という本の中に彼の一篇も収められていたからで、内容はもちろんのこと、彼が寄稿していた(「山と渓谷」の連載エッセイをまとめたもの)ことも記憶から抜け落ちていた。
 まず『言葉ふる森』を本棚から探して読んでみよう。しかしこれがなかなか見つからず、10分くらいあちらの本棚、こちらの本箱を探しまくって、ようやく発見できた。
 彼の「里守り犬」というエッセイを読んだ。最後の段落で、本文とはまったく関係のない余談がわざわざ書かれてあって、野生動物が人間のすみかに多く出現しだした一因が旅行者や登山家による「餌付け」だ、とあった。
 自明の理である。大きな河川の上流や山裾の開けた一角には決まってキャンプ場がある。家族単位ならともかく10名20名が集まって、必ずと言っていいほどバーベキューをしながら日が暮れても大騒ぎしながら「自然に身を置く楽しみ」を満喫するのが、都会人のアウトドアライフだ。50メートルくらい離れていても肉やバーベキューソースの焼ける匂いが漂ってくるほど刺激的。野生動物にとって、この香りの強烈さは人間の比ではないだろう。焦げ過ぎた肉やトウモロコシなどは藪や川辺に捨てて、彼らは朝、自分たちの街へ返る。生態系を破壊している元凶だとはつゆ知らずに……。
『言葉ふる森』には好きな作家や随筆家たちのコラムがたくさん収められているので、ついつい拾い読みをしてしまった。そんなことをしていると、我に返った時には1時間以上が過ぎていた。
 会社を辞めたらすっかり「のろま」になった。

【のろま】動作がにぶいこと。また、そのような人。
ぼんくら ・ おたんちん ・ 薄ぼんやり ・ 馬鹿者・ 阿呆 ・ すかたん ・ まぬけ ・ 戯け者 ・ 腑抜け ・ うすのろ

 いずれの呼称も該当しそう。
 今回、妙なことに気づいた。全30編とカバーにあるのに、帯の文言に「現代作家ら総勢29名による……」とある。ということは誰か一人が2篇収録されているということ?
 目次を頭から順々に見ていって、それが佐伯一麦氏であることがわかった。私、なにやってんだか。

 午後の散歩後、庭掃除をしていたら、家電(いえでん)に電話がかかってきた。サラリーマン編集者時代によく仕事をしていただいたデザイナー芦澤泰偉さんで、『志村流』
をあらためて単行本で出す、とのこと。「作り直しになるのか、そのまま再版なのかわからないけど……」などと言われたので、「カバー流用なら再掲載料をもらってね、たぶん3万円とかで安いけど、10万円くらいふっかけてよ」と笑いながら話す。お互い近況を報告してから電話を切った。
 1時間後、芦澤さんから電話があって、「同じデータを作り直すということになりました。10万円だって(笑)」と報告の電話があった。
「久しぶりにメシでも食わないか、奢るよ」と言われ、「もちろん。お互い隣町同士なんだから、海が見えるカフェでランチを」と返した。再来週あたりで調整するのでまた連絡する、とのこと。10万円のデザイン・フィーになったのだから、高いランチでも奢ってもらおう。
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