ワンコの散歩の途中で、動物病院に寄る

　朝、志村けんさんの訃報を知った。
　サラリーマン編集者時代、『志村流』を担当したこともあって、いろんなエピソードを思い出す。たとえば装幀は芦澤泰偉さんにお願いし、初っぱなの打ち合わせでカバーはご本人の顔をアップにした写真を使うと決めたら、芦澤さんいわく「それなら篠山紀信にお願いしよう！」と。篠山さんが引き受けてくれるものかな、と思って躊躇していたら、芦澤さんは篠山事務所の電話番号を私に教え、「電話掛けてみて」と子機を渡された。で、やむなく電話をして交渉してみたら、快く引き受けてくれたのだった。社に戻って上の人間に報告をしたら、「馬鹿野郎、そんな（高額な）編集費があるか」と怒鳴られたが、頼んでしまった依頼をひっくり返すわけにもいかずそのまま撮影することになった。現場では私もデザイナーも出る幕はなく、篠山さんと志村さんの一対一対決という緊張感が漂っていた。
　タイトルでもさんざん揉めたのだが、自分の考えを押し切り、結果的には9万部を超えて内心ほっとしたのだが、これは上手く行った例。志村さんの厚いファン層に助けられただけであろう。
　私より6歳年上、ということが現実味を帯びない。コロナウイルス感染者というのもやっぱりリアル感がない。でも自分も含め、ウイルス感染も死も遠くない出来事であることを肝に銘じるべきだろう、合掌。
　朝イチで自室の照明を少し替えた。LED電球をより明るいものにしたのと、ペンダントを別のものに交換した。蛍光灯のような昼白色は使わない、部屋全体はなるたけ暗い照明がいい、各所に別の照明器具を置いて用途に応じて明るくする、というような方針はずっと変わらないのだが、目の衰えは確実に進んでいる。
　わが家の犬たちをずっと診てもらっている動物病院に午後診で行き、混合ワクチンを打ってもらった。効果を疑う意見が多いが、他の犬のおしっこを嗅ぎ回ってそこにおしっこを掛ける習性がほとんどの犬にはあるし、ラズリはさらに草をやたら食べるので、ある意味、病気に感染する可能性が強い。
　獣医から、太りすぎだとやはり注意を受けた。測定結果は20.48キロなので、まずは19キロを目指してダイエットさせよう、と心に誓う。
　昨日お会いできなかった元参院議員から、長いメールが届いた。
　彼は日本語を読めるが、理解力はフィンランド語、英語、日本語の順。なので、英語で返信するようにしている。
　といっても主語と述語を全部書いたくどい日本文で下書きした文章をグーグル翻訳で英訳し、それを頭から最後まで目を通しながら、間違っている訳を自分で直すというやり方。こちらもそこそこ長文の返信なのと、ユーモア混じりの文章ゆえに訳文がかなり違っていたことから、40分くらい費やしてしまった。
　4月になれば図書館や文学館といった公共施設は再開されるのだろうか。
　そう言えばサイモン＆ガーファンクルの歌に「四月になれば彼女は」という名曲があった。早く文学館に籠って詩人が遺した原稿とメモと手紙を写したいのだが、ゴールデンウイーク明けあたりになるのか、と思っている。