テレビとスマホのニュースサイトは新型コロナウイルスとオリンピック延期の話ばっかりで、スギ花粉よりもうっとうしい。
と言いつつも小心な私は毎日掃除に努め、今日はトイレの徹底掃除をしてみた。
トイレは絨毯を敷き詰めている。私は女性と同じスタイルで済ませる、つまり洋式便座に腰掛ける方式ゆえ、絨毯はまあまあ綺麗なはずであるが、いい天気だったので、絨毯を庭に出して水雑巾で拭いて日干しすることにした。これでバイ菌が9割くらい死滅してくれたらしめたもの。
そんなことをしているとマンが悪いことに銀行員が訪ねて来た。這いつくばっている姿を見られてかっこ悪い。
私は家の中のあちらこちらで本や雑誌や新聞を読む。トイレの絨毯の上に坐って古い雑誌を読むこともあるし、寝室内でもソファー、座椅子、フツーの椅子、ベッドとここだけで4箇所、身の置き場所がある。
夕方はソファーでだらしなく横座りをして、タブレット端末でdマガジン配信の雑誌を拾い読みしてた。
何をどう読もうが月々440円で、これくらい安価だと逆にまともに読もうという気が失せる。週刊誌だと気になる特集を1本か2本と、連載コラムを1本か2本。書評欄だけは目を通すようにしている。
今日はたとえば『LEON』という実に低俗なライフスタイル誌をチラ見した。「ちょい悪オヤジ」を売りにした中途半端な男性誌で、私には全ページが全然笑えないギャグとしか映らないのであるけれど、これ、編集者も読者もマジで作ったり読んだりしているのだろうか?
第一特集のタイトルは「やっぱり「スーツ」なんて最高だ!」。日本語になっていない、意味わかんねえ。特集に入る前に「オメガ」の99万円也のダイバーウォッチとか、「ナイキ」と「ディオール」がコラボした究極のスニーカー(24万円也)がそれぞれ1ページを使って写真と下手な能書きが載っていたりする。
さて、第一特集だ。各ページのタイトルを挙げると……
モテるオヤジはスーツで「キメ」
だってふたりのドキドキはスーツのせいだから
モテるスーツオヤジは色気がちょい男らしい
モテるスーツオヤジは次会う時は別の人
モテるスーツオヤジは春の風が好き
モテるスーツオヤジはちょいキザが軽やか
モテるスーツオヤジは時に襟を正さない
いやー、こうして書き写しているだけで疲れる。この雑誌、そもそもきちんと台割を作って、各ページごとに小タイトルを書き上げ、校了責任者(たいていは副編集長)が目を通しているのだろうか?
第3特集は「目指せ! あの子の金メダル♡ 〜モテるゴルフのまわり方2020」というタイトルで、リードは以下のとおり。
いよいよ4年に一度のオリンピックが
自国開催されおうとしています。ゴルフも
もちろん五輪種目ですし、今まで以上に
盛り上がりを見せそうな気配!
その流れにのり、モテるゴルフおやじさんも
優勝目指してストイックに
ベスグロを狙うべきでしょうか。
この号の校了は3月13日あたりだ。今の事態を正確に予想するのは難しい時期だったが、危険回避のために、リードはオリンピック開催をわざわざ謳わなくてもいいのに。第一、こんなへたくそリードが通ってしまうのが不思議といえば不思議で、それは読者がモテたいだけのオヤジであるからしてテキトーに字を埋めといたらええやろ、みたいな。
この雑誌以外に、悪名高き幻冬舎の『GOETHE』もチラ見したのだが、いまの中流階層ってこのような雑誌を読むのだろうか? 2050年から見た「平成の30年間」は知性の転落時代に映るかもしれない。
で、晩ご飯後、岩波新書あたりの教養入門書でも読むかと思って、3日前にブックオフで買った『小林多喜二』(ノーマ・フィールド著)を開いた。著者は日本生まれのアメリカ籍文学者。多喜二に恋をするような姿勢で生涯と思想に迫ろうとする作品だ。まだ4分の1しか読んでないけど(^^)//゙゙゙。
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