2019年の世相を表す漢字一文字が「令」に決まった、というのはこの国の今を象徴している。
令和という元号が発表されたとき、私は菅が掲げたまるでお習字の手本みたいな漢字を見て、自分が書いてきた「令」という字の最後の画が斜めではなく真っ直ぐの縦ラインであることと、さらにまるで念押しするかのようなハネがあることに違和感を持って、わざわざ手持ちの『新字源』で調べた。やっぱりハネはなかったのだが、これは字体に拠るものでもあるし、今後自分が元号を使わなければいいだけの話である。
「令」という漢字の意味は、
1 いいつける(命じるの意)
2 いいつけ
3 おしえ
4 のり(おきての意)
というようにあって、そもそもは「人を集めて従わせる」ことらしい。
令しむとは、「……させる」という他動詞にもなる。
法を曲げてまで権力の維持を図り、他国間交渉では荒唐無稽な歴史観を堂々と掲げ、この7年間でモラルは落ちるところまで落ちてなお、天皇陛下万歳安倍内閣万歳の国民が多数派を占めているのだから、今年の漢字は「令」を置いて他にない、とも言えよう。
今日は昼イチに礼状を1枚書いて郵便局へ。
入口の両脇には野外テントの下、大々的に年賀状が売られていた。
12月に入って今年は年賀状を出すのを止めることに決めた。来週末に入院が決まっていて、年明けまで病院にいる。今週か来週前半に書いて出すというのが、いまの私には面倒だし、そもそもそんな気になれない。自分にとっての年賀状書きは年の瀬がひたひたと押し寄せるその圧力で押し出される希望、という年末行事だ。
50何年間にも亘って続けてきた習慣を崩すのはちょっとつらい気もあるけど、退院後に、なにがしか返信したくなったら寒中見舞いで書けばいいと思っている。
昨日はせっせとタブレット端末(のSDカード)にiTunesから音楽ファイルを取り出してインストールしていた。続いてYouTubeから入院中に見たくなるだろう動画をダウンロードしてはインストールした。落語とかNHKスペシャルなどは違法動画だろうが、院内にWi-Fiがないし、年末年始のテレビ番組は見たくないしで、苦肉の策だ。
持参予定の文庫は10冊弱、タブレットには電子書籍も多数入っているしデジタル雑誌も50冊くらいは読めるはずなので、これでなんとか入院生活の無聊をかこつことも出来るだろう。
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