昨日は意外な展開になった。
軽い昼ごはんを食べ終わったら電話があって、車検と修理が終わったのでup!が戻ってきた、と。予想としては今週半ばあたりかという心づもりだった。
午後3時に、と約束をして、出かけるまでに1時間くらいあったので、1階2階の窓ガラスを水拭きした。
大船駅でピックアップしてもらって、お店へ。
生活にクルマが必要か、と言うと、NOだし、カーライフに限らず生活をダウンサイジングする年代に入っているのだが、工業製品の美を嗜好する感性が自分にはあって、それは手近なところでは30年来愛用している鋏であったりフィット感のあるイヤフォンであったり毎夜触れるMacbookProであったり、この6月に買ったup!であったり……。
車検の費用を払って、クルマのメンテナンスの話についていろいろと質問したりしてから、車検上がりのup!に乗り込んだ。11月中に静岡県長泉町にある「ベルナール・ビュッフェ美術館」に行こう、って思っている。
帰り道、少し大回りをして、大型店舗のブックオフに寄った。本以外にも、電化製品や衣類などが並べられている。
ちょっと変わった座椅子に引き寄せられた。ここ数年来、座り心地のいい座椅子を探していて、大型の家具屋(大塚家具を除く)とかホームセンターなどをたまに回っているのだが、これぞという座椅子は見つけられていない。
お店にはやや申し訳ない行為だが、惹かれた座椅子をフロアに置いて、座ってみた。背もたれの角度が調整できるのは当たり前だが、足というか腿に触れる先端も角度が変えられる。さらに伸縮自在な足置きまであって、しかも全体としては割とコンパクトにまとめられている。デザインとしても悪くない、どころか、いい感じに見えた。
座り心地もよかった。ためつすがめつ還暦男が座椅子の上に座って、かちゃかちゃと背もたれの角度を変えてベスト・ポジションを探っている、という図は醜悪か?
買うことに決めた。
カウンターに持って行ってお金を支払い、座椅子をup!に運んだ。
up!の隣に駐まっているクルマにもたれかかっているアラブ系の男がいた。立ったまま一心不乱にスマホを見ている。
ヘッドライトが付いたままだった。少し躊躇したが、彼に「ハーイ」と呼びかけ、「ライト・ワーク・ナウ」と指差しながら言うと、こんな英語だって通じた。
「ありがとうございました。ありがとうございました」と2回、礼を言われた。
軽く手を挙げて私はもう一回、ブックオフの店内に行った。文庫か新書を数冊くらい買いたい。
が、身体が疲れていて、背表紙のタイトルや著者名が目に入ってくれない。なので10分くらいでギブアップし、クルマに戻った。
と、隣のクルマのアラブ人2人がまだいて、私を見るなり近づいてくるではないか。
一人の男が名刺を出して私に渡し、「私たち、クルマ売る、機械売るビジネスをしてる」と自己紹介する。
今日車検をとったばかりの愛車を売るわけないじゃないか(笑)。
名刺を見たら、
「株式会社 〇〇〇 Trading
モハメド〇〇〇 モハメド〇〇〇
藤沢市遠藤〇〇〇〇」
と印刷されていた。二人の顔を見ると、推定無罪というか推定イラン人かな、と思った。
20秒くらい喋ってから、up!に乗って、うちに帰った。
ニュースを見たら、アメリカがイランの経済制裁を今日から実行に移した、とあった。トランプの顔と言葉遣いがあまりに醜悪なので、イランの側につきたくなる。アメリカ人と日本人とも、美意識がどんどんと低下しているのではないか?
晩ご飯と入浴が済んだあと、座椅子を置く場所を決めた。そして背もたれ他の調整を丁寧におこなった。よし、これでいい。座椅子に深々と座って、その快適さをあらためて堪能。こんなに自分ぴったりの座椅子がブックオフごときの店舗で見つかって嬉しい。
午後23時から1時間ちょっと、座椅子に座って読書。
傷が直ったきれいな愛車が戻ってきて、気持ちのいい椅子も来てくれて、昨日はとてもいい一日になった。
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