小仙丈ケ岳の頂上にはささやかな表札がついている。
ここでもう標高が2,864mということは、
朝から800m程を登ってきたことになる。
そして頂上までの残りは170m。
周りを見渡すと、展望としてはすでに申し分ないレベル。
先ほど見た北岳も、間ノ岳までを含め、全ての山容を見ることができるし、
背後の甲斐駒ケ岳もいよいよ遮るものがなく、見えるようになってきた。
一方、ここは仙丈ケ岳本嶺の好展望台として知られている。
そう、仙丈ケ岳の本嶺は、ここにきて初めて視認することができる。
北岳や槍ヶ岳のような鋭さはなく、なだらかな山容である。
豊かな深い緑とあいまって、なるほど「南アルプスの女王」というわけだ。
あと1時間程度で山頂にたどり着けるということであるが、
ここから見ていると、本当に1時間で着くのかしら?と思える。
ゆっくりと本嶺を見ておきたいが、
頂上がガスに巻かれる前に、とにかく急ぐこととした。
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