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2020年02月14日18:07

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ワクチンも薬もない状態において抗ウイルス戦略はいかにすべきか。答は情報と教育だけである。

日沼頼夫(1925〜2015 / ウイルス学者 京都大学名誉教授 塩野義製薬副社長)

格言は初のエッセイ集『ウイルスと人類』(勉誠出版 平成14年)の序にかえてより。

曰く―――。

《 ウイルスは人類に感染して、病気を引き起こす。時には死を与える。しかしそれはウイルスにとってはちょっとしたエピソードに過ぎない。しかしウイルスによる病は人類の敵である。

人類に起こる種々様々な疾患の原因にウイルス感染が関係していることが明らかになってきた。炎症、退行性変性、腫瘍は言うに及ばず、代謝障害、自己免疫、先天異常にもその関わり合いがすでにみられている。

ウイルス原因の決定した病気に対しては、予防と治療という手段を適用するのが医学の常道である。予防はワクチンである。人類はワクチンによって大きなウイルス病を克服してきた。その例は第一が天然痘であり、地球上にこのウイルスは根絶した。第二はポリオである。先進国(日本を含めて)にすでにポリオはない。しかし同時にポリオワクチンの実施が不十分な第三世界ではまだこのポリオの流行があるということも忘れてはならない。他にも有効なウイルスワクチンは幾つも挙げられる。しかしエイズウイルスにはワクチンは未だない。また呼吸器ウイルス感染(風邪ウイルス)の予防ワクチンは全くといってよい程成功していない。難しいのである。エイズと風邪のワクチンに対しては、化学療法で対抗すべきであろう。アシクロビルという革新的なヘルペスウイルス剤が登場した。これは二十一世紀の抗ウイルスの時代を開拓する勇気を与えた。

ワクチンも薬もない状態において抗ウイルス戦略はいかにすべきか。答は情報と教育だけである。

我々人類はウイルス病に対抗するばかりでなく、すでにウイルスを積極的に利用することを行なっている。遺伝子工学の場である。遺伝子治療である。レトロウイルスやヘルペスウイルスがそのベクターとして利用される。

人類はウイルスと共生する。しかしウイルスの働きが生み出す病気に対しては対抗する。人類の英知をもって。 》

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■スピード抑制と重症対策を=専門家「国内流行の可能性大」―新型肺炎
(時事通信社 - 02月14日 00:00)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=5972350
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