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2020年09月30日11:15

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走る歌 江ノ電 伊藤海彦

江ノ電と、江ノ電のある風景のエッセイ
あの頃はよかったと、振り返る筆者は
最近の江ノ電について書くことはしてないらしい。
なぜなら毒舌になっちまって愉快じゃないから。
すばらしいことだ。柔らかい文体は柔らかく染みる。

掃除に使った油、コレに滑って転ぶガキ。
若い娘の肩にとまるカマキリ
海水浴のビーサンにひっついた砂
藤沢から鎌倉までを結ぶ小さな電車
たしかに“人格”みたいなものを感じる。

ただ悲しいかな、筆者が遠景と眺めた場所からも
現代現在は遠く離れてしまった。
借りた本はなんと初版。昭和62 年の作品。
この時点で失われた失われたと言われたそれは
今、ここにあるんだろうか。
何もない。江ノ電はPASMO Suicaで乗れる。
けど、ある。まだそこにあるということが大事。

幸い残された戦前からの路線
未来にも残るといいな、なんてことを思った。
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