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2020年01月24日08:07

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ドイツの凋落は金融業界から始まり自動車業界へシフト

独高級車メーカーが苦戦、時代の変化に追いつけず
競争激化や不正疑惑、電気自動車の台頭が利益を直撃
By William Boston
2020 年 1 月 23 日 15:45 JST

 【ベルリン】独大手高級自動車メーカーは数十年にわたり巨額の利益を稼ぎ出し、高級車の基準を設定してきた。しかし、競争激化や不正疑惑、IT(情報技術)に強い新興勢力の台頭で勢いを失っている。

 そうした要因が独高級車ブランドに打撃を与えている現状が22日に浮き彫りになった。「メルセデス・ベンツ」ブランドを持つダイムラーは9カ月間で3度目となる利益見通しの下方修正を発表し、昨年は50%近い減益になったことを明らかにした。さらに、米電気自動車(EV)大手テスラが時価総額で独フォルクスワーゲン(VW)を追い抜き、世界第2位の自動車メーカーとなった。

 ダイムラー、VW、BMWは新車販売台数では継続的に過去最高を更新しているが、利益率は縮小し、米国などの市場ではシェアを失っている。規制面の不祥事による評判の悪化、自動車販売の世界的な減速、EV投資によるコスト上昇などが原因だ。

 その恩恵を受けているのが、テスラなどの新たな競合やスウェーデンの高級乗用車メーカー、ボルボ・カーなど巻き返しを図るライバル企業だ。独企業はEVの開発に数百億ドル単位の金を投じているが、テスラに水をあけられている。テスラはネットにつながるコネクテッドEVの新しい業界でトレンドセッターとみなされている。

 「今日の基準はテスラだ」。独デュイスブルク・エッセン大学自動車研究所(CAR)のフェルディナント・ドゥーデンヘッファー所長はこう話す。「今から10年後、テスラはBMWと同規模になっているだろう」

 ダイムラー、BMW、VW、アウディがそれぞれ直面している法律上の問題は、単に高級車ブランドを生み出した企業のイメージをおとしめているだけではない。新技術に投資する必要のある財務リソースを消費してもいる。ダイムラーはディーゼル車の排ガス規制違反疑惑の捜査を受け、過去3四半期に40億ドル以上の引当金を計上した。

 BMWは、排ガス浄化技術の開発競争を制限するため他の自動車メーカーと談合したとする判断を巡り、欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会と争っている。同社は昨年、この反トラスト法(独禁法)訴訟に関わる法的費用として10億ドル以上を引き当てた。

 さらにBMWは12月、販売数値を偽って業績を実際よりもよく見せようとしていた疑いがあるとして、米証券取引委員会(SEC)が同社の商慣行を調査していることを明らかにした。同社はSECに協力していると述べたが、この件に関するコメントは差し控えた。SECはコメントの要請に応じなかった。

IT企業のように評価されるテスラ

 独高級車メーカーの利益にさらに深刻な影響を及ぼしているのが、業界の技術的なシフトだ。自動車はバッテリーで走行しネットにも接続できるようになっており、単に街中を移動するための車両というよりはタイヤの付いたスマートフォンと化している。

 「われわれは自動車会社として評価されているが、テスラはIT企業のように評価されている」。VWが今月開いた上級幹部会合のスピーチの書き起こしによると、ヘルベルト・ディース最高経営責任者(CEO)はこう述べた。

 米国では、テスラが販売台数を2014年以降10倍に伸ばした一方で、メルセデスとBMWは市場シェアを失っている。アウディの販売台数は過去5年で増加したが、現在は再編の最中で、テスラやインフィニティ、ボルボ・カーなどのライバルに押されて市場シェアはほぼ頭打ちになっている。

 証券会社エバーコアISIのデータによると、ダイムラーの自動車事業の利益率は13年の9%前後から19年には推計3%に低下し、米フォード・モーターの予想利益率(4.3%)を下回っている。

 エバーコアによると、BMWは長年にわたり利益率が2桁だったが、19年には5%まで落ち込む可能性がある。これは、同社が最後に2桁の利益率を上げた12年の利益率(11%)の半分に満たない。

 独高級車ブランドが精彩を欠くもう1つの理由は、そのニッチな市場の実入りの良さに他の企業が気づいたことにある。ライバル企業は高い利益を求めて独自の高級車ブランドを開発したり、往年のモデルを高級車市場に投入したりしている。

 フォード・モーターは13年、VWに対抗すべく、長年休眠状態にあった傘下の「ヴィニャーレ」ブランドを復活させた。仏ブジョーは「DS」ブランドをよみがえらせた。そのかなり前にはトヨタ自動車や日産自動車、ホンダがそれぞれ独自の高級車ブランド「レクサス」「インフィニティ」「アキュラ」をスタートさせている。トヨタは時価総額が2300億ドルを超え、自動車メーカーで世界首位だ。

高級車市場以外でも脅威に直面

 中級車市場メーカーが自社モデルに高級感を加える方法の1つが、テクノロジーの搭載だ。ほぼ消滅の危機にひんしていたボルボ・カーは、2010年に資産家の李書福氏率いる浙江吉利控股集団(ジーリー・ホールディング・グループ)に買収され、中国マネーでよみがえった。テクノロジーを満載した新型高級車を投入し、勢いを盛り返している。販売規模はまだBMWの3分の1にすぎないが、車載デジタル技術の開発費節減に向けアルファベット傘下のグーグルと手を組んでいる。

 ボルボ・カーのホーカン・サムエルソンCEOはウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)に対し、「われわれには今や製品があり、アウディやBMWに追いつきつつある。それら企業に取って代わる存在とみなされる必要がある」と指摘。「重要なのは高級感だ。それこそがわれわれの成長の軸だ」と述べた。

 独高級車メーカーが直面している脅威は、高級車市場に限ったものだけではない。

 中国は販売台数で世界最大の自動車市場であり、VWやBMW、ダイムラーにとって最大の市場だが、昨年は新車販売台数が2年連続で前年割れとなった。世界経済の減速で世界の新車需要は軟化している。

 欧州では、自動車市場全般で利益が再びプレッシャーにさらされている。違反すれば巨額の罰金を科されかねない新規制の導入を受け、各社はEVの開発や平均的な二酸化炭素排出量の削減に数百億ドルを投じている。

 テスラの成功と排出規制によって、独自動車大手は時代が変わりつつあることに気づいた。

 「今、嵐が到来している」。ディース氏はVWの幹部にこう述べた。「2020年には、われわれが荒れた天候に対して備えができているかどうかが明らかになる」
https://jp.wsj.com/articles/SB10043423318217253417304586157520311443788
フランスのルノーは日産を支援して、見返りに電気自動車技術を手に入れました。
フランスとドイツで明暗が分かれつつあります。

ただし、フランスは、フランスのエリートが国民を試みない経済政策を続けているので、デモが頻発して、社会不安が治りそうに無いです^^;

> 中国は販売台数で世界最大の自動車市場であり、VWやBMW、ダイムラーにとって最大の市場だが、昨年は新車販売台数が2年連続で前年割れとなった。

中共経済に依存したドイツは、市場の量よりも質の変化に気が付くべきでした。
中共市場が推すテスラという例があるのですから^^;

米国市場は、トランプが規制強化中なので期待できません。
今後かなりの逆風の中で経営しなければなりません。
ドイツ経済に依存していたEU経済もそろそろ終わりだね^^;

EUから離脱する英国は、今はゴタゴタしているけど、後の歴史学者から正しい選択をしたと評価されるかもw
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