mixiユーザー(id:64329543)

日記一覧

 「怒り」という感情は、怒っている人間の表情や声の出し方や身ぶりを模倣することによって学習される。子どもの内面に「怒り」の感情があって、それが表出して「怒り」の表情や身体表現になるのではない。他人の「怒り」の表情や身体表現を模倣し、その表現

続きを読む

 さて、やっと乱歩の登場。江戸川乱歩は「パノラマ島綺譚」を「黄金の死」からl2年後に発表する。乱歩が谷崎の「黄金の死」を読み、ポーの「アルンハイムの地所」、その続編「ランダーの別荘」との酷似を認めたと思われる1917年から9年も経っている。それは

続きを読む

 マグリットの「アルンハイムの地所」からポーの作品を想像してはいけない。どの絵もポーの作品の挿絵にはなりそうもない。そこで、まずポーの「アルンハイムの地所」(新潮社、世界文学全集、谷崎清二訳)の風景描写を読んでいただきたい。「船はその中へす

続きを読む

 「思想の視覚化」という洒落た謂い回しは、より具体的には「造園」を指すことがある。思想の内容を実現するとは、時にはそれを風景として実現することであり、それによってでき上がるのが庭園である。庭園は思想の具体的な実現ということになる。それゆえ、

続きを読む

白鳳丸
2017年03月08日06:02

 東大の海洋研究所に所属していた「白鳳丸」は2004年に独立行政法人海洋研究開発機構ができ、移管された。約4,000tの大型の学術研究船で、様々高性能研究設備を備え、10の研究室をもっている。近海、遠洋を問わず、長期間の多目的な研究、つまり海洋生物、

続きを読む

ミネルバの梟
2017年03月07日07:46

 梟が哲学と縁が深いのはヘーゲルに起因するようです。ヘーゲルの哲学観と私のそれは似ても似つかないものですが、権威に頼って自分を表現しようという下心があるのは確かだと白状しておきます。では、ヘーゲルと「ミネルバの梟」はどのような関わりがあるの

続きを読む

奇想天外な生命
2017年03月06日08:22

 キソウテンガイはアフリカのナミブ砂漠の固有種。その風変わりでグロテスクな外見と、あまりにも奇怪な様子から(日本語では)「奇想天外」と名づけられている。植物学的にも奇妙な特徴を数多くもち、研究者の好奇心の的となってきた。 キソウテンガイは砂

続きを読む

豊洲市場のジョギング
2017年03月05日07:42

 眼前の豊洲に横たわる建物群を眺めていると、不気味なほどの静寂とテレビや新聞での解説や議論の喧噪とのコントラストがくっきり浮かび上がり、憂鬱な焦燥感に襲われる。老人が何か言っても無駄なことだと思いつつ、識者たちの議論を聞いていると、春の来な

続きを読む

tobus
2017年03月04日08:02

 2000年に当時の石原都知事が都バスの車体に広告を出すことを許し、ラッピングバスが登場。広告にラップされた都バスが眼前を走り去るのを何気なく見ると、tobus.jpの文字。都バスが広告塔ならぬ、広告車になって久しいが、tobusとは何かと一瞬頭の中が白く

続きを読む

 辰巳団地のもつ昭和の風景について既に述べた。私と同じ時代を生きてきた団地はどこか自らの分身のような気がしてならないのだが、そこに住めと言われると躊躇するのもまた同じ私である。団地には昭和を象徴するものがあちこちに見られるが、その中に老人ケ

続きを読む

 空間や時間は哲学の対象だと思われたり、主観的な心理的対象として強調されたり、また文学作品では欠かせない装置として重要な役割を演じてきました。時間、空間は物理的でも数学的だけでもない、謎を含む、世界に欠かせないものとして、私たちを刺激し続け

続きを読む