レ・ミゼラブルその３

レ・ミゼラブルの続編を購入した。毎回衝撃的な内容。最近これほど人の生きざまに迫る作品は見ていない。気分が重たくなるから。レ・ミゼラブルの年代を調べると1820年前後のことなので、200年前の出来事である。日本は江戸時代で、勝海舟が生まれたころ。自分が40歳だから、そのたったの5倍と思えばつい最近である。社会は変わりすぎているように思えるが人の本質は変わらないとも思う。多くの人は、意識的にか無意志的にかは別にして、人を区別し差別する。そして、自分より下で罰していい存在と認識すると容赦がない。今の京都産業大に学生に対する誹謗中傷者も変わらないと思う。人を罵る人間にとって実は真実は重要ではなく、ただ攻撃したいだけなのである。

人はなぜ人に攻撃的になるのか。人を差別するのは防衛という意味もあるのかもしれない。コロナに感染しているかもしれないだろう集団を大きく差別して寄せ付けない行為をとることによって身を守ろうとする。もう一つは、攻撃性というものが人に備わっているのだろう。普段は抑えているものが、正当性を笠にむき出しになる。前者は農耕民族の後者は狩猟民族の遺伝子か。

人間を理性的なふるまいにしているのは、個人の理性ではなく、社会だ。自分が何者か社会に認識されている場合には、自分の不利益にならないように理性的な行動をするが、自分が不利益を被らないでよい立場であれば本能むき出しとなる。現代人は社会の仕組みによって律されているが、精神的に律する教育をされていないため人の目がない場所で異常な行動に走りがちな気がする。

などぶつぶつ思いながら、手作りハイボールを飲む。
早く、コロナ収束しないかな。そろそろ、出かけたいのだが。