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2020年10月18日12:50

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風俗だけを真似する軽薄

ハロウィーンに否定的な理由 3位は「何かと理由をつけて騒ぐのは良くない」、2位は「感染拡大につながりそう」、そして1位は……
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=40&from=diary&id=6270816



日本人に全般的に言えることですが、
とにかく欧米の文化を「トレンディなもの」と思い込み、
それが生まれた宗教的・民族的背景や哲学には一切お構いなしに
風俗だけを真似て喜ぶという風潮が国民の心理を支配したのは、
明治以来150年という長きにわたります。
 
ある意味、これは致し方のないことで
19世紀、明治初頭に西洋文明に邂逅した日本人の目には
かの文明は余りにも光り輝いて見えたのです。
それ以来、日本人の精神の中枢にどっかりと腰を下ろしてしまった対西洋劣等感。
永井荷風がいみじくも吐露した「仏蘭西に行きたしと思へど仏蘭西は余りに遠し」
という、ため息にも似た憧れの感情は、その後日本人の精神構造を形作りました。
 
教育はひたすら西洋の模倣に費やされ、ついに2020年まで至りました。
「大東亜戦争」がこの根本的宿痾を克服する機会でもあったのですが、
それも敗戦で夢と消え、それ以降は劣等感とさらに甚だしい欧米崇拝が
国民心理の隅々までを染め上げてしまいました。
 
大晦日には除夜の鐘を聞き、元旦には神社に初詣し、
結婚式は教会で行い、葬式は寺に頼むという、矛盾に満ちた日本人の精神構造。
元々多神教の風土で生き死にを繰り返してきた日本人の大らかさでもありますが、
この無節操は日本人の民族的根本精神をも腐食していく癌細胞だったのです。
 
クリスマスの意味は忘れ去られ、毒々しい商業主義にとって代わられ、
最近ではそれに加えてハロウィーンの乱痴気騒ぎ…。
いったいこれらの無節操な精神のどこを探せば、
日本人のアイデンティティが存在するというのでしょうか?
 
かつて夏目漱石は「涙を呑んで上滑りに滑っていく他ない日本」を嘆き、
ラフカディオ・ハーンは「美しき日本が壊されていく悲哀」を
「日本」という秀作に纏め上げました。
先人たちの心の叫びは、一切顧みられることすらなくなってしまいました。
今や日本人は、精神的拠り所を喪失したデラシネになってしまったのでしょうね。
 
 

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