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2020年03月29日11:13

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コウスケへのレクイエム

キャットシッターに聞いた!子猫を保護した際の正しい対処法
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=116&from=diary&id=6026443



子供が小さい頃、学校からの帰り道で、
 
駐車場で鳴いていた子猫を見つけて拾ってきたことがありました。
 
「お願い、うちにおいてやって!わたしが世話をするから!」と必死な娘の頼みを、
 
「元の場所に置いてきなさい」と命じる冷酷さは持ち合わせておらず、
 
「じゃあ、庭で飼うんなら…」と認めたのが間違いの元。
 
子供は約束をすぐに忘れるもので、結局こちらが世話をする羽目に。
 
娘はなし崩しに家の中に入れ、やがて余裕で家猫に収まってしまいました。
 
 
そればかりではありません。コウスケという犬を飼っていたのですが、
 
これがまたメチャメチャ賢い犬で、
 
五月のある朝、森の中を放し飼いしていたとき、茂みの中から僕を呼ぶのです。
 
行ってみるとミスタードーナツの箱の中に、まだ目も開いていない子猫が五匹、
 
お腹を空かしているんでしょう、必死に鳴いています。
 
ずいぶん酷いことをする奴がいるんですね。
 
コウスケは僕を見上げて「まさか見捨てはしないでしょうね」と訊きます。
 
彼の澄んだ瞳に見つめられては、厭だとは言えないじゃありませんか。
 
箱を抱えて家に帰ったら、子供たちは大喜び。
 
早速ホームセンターに走って、猫用の哺乳瓶二つと粉ミルクを購入。
 
よっぽど飢えてたんでしょうね、大騒ぎで食いつきます。
 
何としても生きてやるという、鬼気迫るほどの生命の迫力に圧倒されました。
 
 
しかし夫婦には仕事があり、子供には学校があります。
 
昼間は家に誰もいません。
 
そこで僕はコウスケに「オマエにも責任を取ってもらうよ」と言うと、
 
彼はニコニコ笑いながら頷きました。
 
そこで、家に誰もいない昼間は、コウスケに子猫たちを丸投げしました。
 
子猫たちはコウスケをすっかり親と思い込み、
 
夜も犬小屋でコウスケのそばに重なり合って眠りました。
 
しかし猫は所詮猫ですね。
 
大人になるとともに、恩知らずな彼らは次々とコウスケの元を離れていきました。 
 
  
滅多にいないほどの立派な犬でしたが、16年前急性腎臓炎で死にました。
 
彼の最期を看取った家族全員、泣きました。
 
今では庭の西の端、山茶花の根元に、彼は一家の守護神として眠っています。
 
 

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