cynic 冷笑者

　ある人が面白いことを言っていた。懐疑論者と皮肉屋は否定的なことを言うという点においては似ているが、全然別物だというのだ。懐疑論者は信念そのものを疑うわけだが、冷笑者は信念を捨てていない。むしろ、自分の信念からなる倫理的要求水準が周囲の現実とかけ離れているために、ある意味絶望していると考えればつじつまが合う。
　ミクシイにも、二言目には『日本人は愚かだ』という趣旨のことを言っている御仁がいるが、自分の置かれた境遇への不満と、自分の周囲の人間の「レベルの低さ」への不満がないまぜとなって、このような言動をしているのだろう。
　ある意味純粋と言えば聞こえが良いが、やはりそれは自己中のそしりを免れない。自分をそれなりの高みに置くのなら、自分の方から周囲に対して働きかけなければならない。それをしないのであれば、やはり沈黙を貫くしかないはずだ。