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mixiユーザー(id:64140848)

2019年10月22日09:45

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悲しみは汚れない

 今日、10月22日は中原中也の命日である。82年前に29歳の若さでこの世を去った天才詩人は悲しい人であった。ある種の傲慢ささえ感じるほど自分の才能を信じている人であったが、世に認められるいとまもない短い人生であったのは残念である。

  汚れつちまつた悲しみに
  今日も小雪の降りかかる
  汚れつちまつた悲しみに
  今日も風さへ吹きすぎる

  汚れつちまつた悲しみは
  たとへば狐の革裘かはごろも
  汚れつちまつた悲しみは
  小雪のかかつてちぢこまる

  汚れつちまつた悲しみは
  なにのぞむなくねがふなく
  汚れつちまつた悲しみは
  倦怠けだいのうちに死を夢む

  汚れつちまつた悲しみに
  いたいたしくも怖気おぢけづき
  汚れつちまつた悲しみに
  なすところもなく日は暮れる……

悲しみが汚れるというようなことがあるだろうか? 実際にそのようなことがあろうはずはない。
本当のところは、中也は自分が汚れていることを自ら揶揄しているのである。風が吹きすぎても、小雪がかかってちちこまっても、倦怠のうちに死を夢みようと、なすところなく日は暮れたとしても、悲しみは汚れはしない。中也がみじめになればなるだけ、悲しみのその純粋さと透明さが際立つ、この詩の美しさはそういうところにあるのだと思う。
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コメント

  • mixiユーザー

    mixiユーザー2019年10月23日 05:33
    ありがとうございます、こういうのを雄弁に語って頂きたかったのです。
    僕は人間性に色々欠落があって人情味薄い人ですし、御坊哲さんからすれば心に関して初歩的すぎることが分かってないことをさらけ出してしまい、呆れさせることになるかもしれませんが、この日記で仰りたいことは、中原中也の悲しみが汚れちまったのでなく、中原中也はおのれの心が汚れちまったことを悲しんでる、ということなのでしょうか。
    もし、あまり多くを語りたくないことだったとしたら、申し訳ありません。
    でも、僕は、御坊哲さんの人間観というか、現存在分析とでも言いましょうか、人生の先輩として、なまの経験から獲得してきた、人を見る目を、知恵を、披露して解説して頂ければ嬉しいな、と個人的には願ってて、なぜ心理学とか精神医学とかそっちのほうへの言及を敢えて出し惜しみして、詩的で文学的なセンスを押し殺したような、敢えて乾燥した論理で仕立て上げた、純理論的な哲学しか、いつも発信して下さらないんだろうか、と訝ってるところなのです。
    もしかして、なまなましい気持ちを感じさせる文章を書く感傷的な気分にどっぷり浸かってるメンヘラっぽい奴は痛々しいからカッコ悪いみたいな美醜の感覚が俗世間一般の常識的基準としてあって、それにも顧慮した結果の妥協点に、至って、そこに中庸を見出してらっしゃるのでしょうか。
    言葉に感情が乗ってるという自己一致も大事ですけど、内省ばかりしてたら、外界の物質との交渉が疎かになったら、健全ではないですもんね…
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2019年10月23日 07:47
    > mixiユーザー 

    >詩的で文学的なセンスを押し殺したような、敢えて乾燥した論理で仕立て上げた、純理論的な哲学しか、‥‥

    私に文学的なセンスはありません。独りよがりな情緒を垂れ流したら、たぶん顰蹙を買うと思います。
    中原中也だって自分の情緒を垂れ流しているだけではないと思います。推敲に推敲を重ねて言葉をコントロールしているのです。自分の感情におぼれていては他人に訴える力はなくなってしまうと思います。

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