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2021年08月03日22:06

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旧作

 シネロマン池袋で旧作を2本鑑賞.。新田栄監督94年作品「婦人科医院 診療台の情事(公開題『官能病院 性感帯診察』)。下町で産婦人科を開業している主人公。年の離れた妻は放浪癖があり、ふと出ていくとしばらく戻らなかったりする。それでも主人公は戻ってきた妻を温かく迎える。
 「時代屋の女房」のようだが、妻は出先でしっかり浮気。浮気相手が追いかけてくるが、主人公は意に介さない。子どもができないことで、妻を追い詰めてしまい、すべて許す主人公。妻も夫を愛している感じが出ていて、この関係は面白い。
 妻が看護師とレズビアン関係なのは、カラミ場面を増やすためとしか思えないが、いつものカラミ場面連発の結果唐突に終わる新田作品とは違った印象を受け、予想以上に楽しめた。
 「発禁縛り夫人」は向井寛監督78年作品。向井監督は60年代から活躍しているので、全盛時は知らない。私が初めて観た作品は、83年の「四畳半色の濡衣」。美保純主演の一般映画で、上垣保朗監督は「美保純のいいところを全部殺している」と言ったらしい。確かに当時としても古めかしい話だと思った。しかし美保純の個性で救われているとも感じた。
 最後のチャールストンなどさすが美保純と思わせた。さらにひし美ゆり子ら女優陣と、東映の優秀なスタッフに支えられ最後まで観られた。
 しかし82年の「ビニ本殺人事件」は、ひたすら暗くて重く辟易。86年の「サドヒスト」はミリオン最後の作品で、いつもより予算がかかっていたようだが、それ以上の面白さはなかった。これが向井監督最後のピンク映画だろう。
 今回の旧作も過去が舞台。かつてナンバーワン縄師だった男は、縄で女を殺していしまい、以後縄を封印。今は女郎屋の用心棒。
 それが土地の実力者の妻と出会う。妻は夫に縄を教えられていて、2人は同じ種類の人間とわかる。当然惹かれあうのだが、男は欲望に身を任せると、女を殺してしまうかもしれないとためらう。
 このせめぎあいがしっかり伝わるので、最後まで飽きさせない。2人が漁師小屋で結ばれる場面は、喜びとともに破滅への道が見える。
 夫は金で良家の娘を買ったと自覚しており、縛るのはそのコンプレックスか。悪役もしっかり描いている。
 雪の中のラストシーンも美しい。国分の高倉健を思わせる格好の良さもあり、これまでいい印象を持っていなかった向井監督だが、この作品は楽しめた。
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