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2020年11月10日22:22

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旧作

 シネロマン池袋でピンク映画旧作を続けて鑑賞。「狂った性欲者 主婦を襲う」は79年和泉聖治監督作品。性犯罪で収監された主人公が、出所するところを白黒写真で見せるあたりはなかなかの滑り出し。
 運送会社に就職した主人公は最初は耐えているが、やがて歯止めが効かなくなる。保護司は「病気のようなもの」と言ったが、その通りで治療はしたのだろうか。この保護司は会社へ電話し、社長の若い妻と話す。「前科者であることは伝えていない」と言うが、妻の反応から喋ってしまったのではないか。全くダメだ。同僚の「一緒に風俗に行かない奴は仲間じゃない」のノリも嫌だ。ほとんどの登場人物に肩入れできない。
 唯一主人公が亡き兄にそっくりなこともあって、親切な若い妻は気持ちが入るが、あの結末は後味悪い。クリスチャンを自殺させるのもどうか。主演の草薙良二は熱演しているし、当時のピンク映画は金もかかっていると感じるが、内容は小林悟監督作のよう。
 「拷問女暗黒史」は、向井寛監督の80年作品。有名女優だったヒロインは、売れない作家と結婚し地方で隠遁生活をしている。そこへ舞台での復帰のオファーが入る。カムバックし評判になるヒロインに対し、夫は原稿をボツにされる。夫は薬に手を出し、これが悲劇につながる。
 タイトルバックはヒロインが演じる「曾根崎心中」。舞台上で生き生きしているし、稽古に熱が入ると演出家とキスもしてしまう。本人が言うように「命を懸けて女優をやる」べき人物だが、夫のため次々間違った選択をしてしまう。
 夫はダメな人間だが、妻が1人ファンに囲まれていたり、演出家と2人で去ったりするのを目撃し、追い詰められる様を見せているし、一方的な悪役にしていない。協力に日経ホールとあり、満員の客席を映したり、出演者も多い。なんと港雄一さんがカラミ要員。当時のピンク映画としても、金がかかっているのではないか。
 その豪華さに向井監督の演出も熱っぽい。明らかにあの女優の失踪事件の映画化だし、ラストの隠し撮りなどピンク映画のゲリラ性が感じられ、面白い作品となった。
 「未亡人下宿 和服でハメ狂い」(公開題『未亡人下宿 熱い喘ぎ』)は、97年深町章監督作品。主人公の青年は、「会社のためにまずいことをやって来た」し、社長の娘とも付き合っているので、出世コースに乗ったと思っている。そこへ半年地方へ修行も兼ねて地方へ転勤することになる。
 赴任先の支社長はどこか奇妙で、下宿の母娘もいわくありげ。やがて母娘に意外なたくらみがあり、それに支社長ら周囲も加担していると分かる。青年が追い詰められる様は、ホラー映画を思わせる。
 山本晋也監督の未亡人下宿との差別化を図ったのだろうか、内容が正反対。しかし面白さで上回っておらず、出来としては物足りない。やはりコメディにしてほしかった。
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