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2020年07月28日22:16

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今週のオークラ

 上野オークラで渡邊元嗣監督07年作品「特命シスター ねっとりエロ仕置き」。ヒロインはSMの女王様なのに尽くすタイプで借金を背負う。このキャラクターがいかにも元嗣監督映画だ。借金取りに追われて逃げ込んだ教会で、怪しげな神父に強気な性格を買われ、信者たちを救う特命シスターに任命される。
 訪れた人妻から持ち込まれた相談が、「浮気相手のホストに裸の写真を撮られて脅迫されている」。もう教会の域を超えている。女王様とシスターのミスマッチ感がおかしい。闘う前のヒロインの啖呵など、「スケバン刑事」のノリ。楽しい作品だ。
 「人妻Gスポット たまらない快感」(公開題『愛染恭子vs菊池えり ダブルGスポット』)。04年の愛染恭子監督、主演作。これも愛染監督の知名度ゆえか金がかかっているが、期待は一切なし。一度引退した菊池えりも証文の出し遅れ感あり。話も社宅脱出を目指す妻たちが、妻を亡くして社宅にやって来た専務に肉体的サービスをするのもありがち。
 ところが意外にも夫婦の描写がしっかりしている。ヒロインは作家を夢見る夫に「実現しない」としながらもサポートする。夫の同期の妻も一戸建てを夢見て、ヒロインより積極的に専務にサービスする。さりげなく同期の妻が一戸建てのカタログを持っているのを見て焦るヒロインなど、なかなか面白い。
 二組の夫婦は、最後に別の道を行く。専務がセクハラとパワハラばかりの人物だったので、ヒロイン夫婦の選んだ道は厳しそうだが、正しいことをしたと思える。このエンディングもよく、意外や楽しめた。
 「温泉情話 湯船で揉みがえり」は、竹洞哲也監督の新作。温泉旅館を訪れた若夫婦。妻はかつて両親とともにこの旅館に来たことを回想する。
 娘は社会人になったことを機に、両親を温泉旅館に招待する。両親は経済的にきつい時期もあり、娘の招待を喜んでいる感じが出ていて、娘も旅館の仲居と従業員がセックスするのを見て「昭和の定番エロス」と喜ぶ明朗さがあり、前半は幸福感があって楽しい。
 しかし両親は震災で死ぬ。自分がもっと頑丈なマンションに入居させなかったことを後悔し、1人で旅館を訪れる。ここで仲居に「死者と会える方法がある」と聞かされる。
 娘と仲居の接近は、小松公典脚本らしく短い台詞の応酬で、演出も場面をうまくつなげている。死者が登場するタイミングもいい。しかしこの軽快さが重い心情を伝えるのにややマイナスで、どうも乗れない。妙な修行は面白かったが、最後のオチもどうか。
 しかしラストシーンの娘の表情など、心に傷を負った女性が、平穏を取り戻す話として面白い。俳優陣も好演。
 

 
 
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