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2020年07月08日22:20

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今週のオークラ

 上野オークラで03年の「熟女レズ 女と女が絡む時」。公開題は「政界レズビアン 女戒」。この年のピンク大賞の新作紹介コーナーでこの題名が出たとき、客席から笑いが起きた。しかし愛染恭子監督、主演作に興味が持てず、結局見逃した。
 AV廃止法案を公約とする女性議員は、女性の人権を守る会を結成し、レイプ物を作るAV製作会社の男をつるし上げる。女性議員を疎ましく思う幹事長は、秘書とセックス。その秘書はかつて女性議員と同性愛関係にあった。AV製作会社の男が街でスカウトした少女は、女性議員と同じ首飾りをしていた。これで展開が読める。少女は女性議員の生き別れの娘で、レイプされたことで生まれた娘。同性愛者なので母親になるのはこの時しかないと思い、産んで孤児院に預けたと分かる。
 愛染監督のネームバリューゆえか、出演者が多い大作。しかし登場人物の描き方が物足りない。自演の主人公も、レイプされたからAV廃止は短絡。「裏でより過激なAVが出回る」との秘書の言い分の方が正論だ。娘が孤児院を出た後は放っておいたのか。女性の人権を守る会もあっさり男とセックスし、カラミ要員の域を出ない。幹事長と大物政治家もただの悪役。
 母親と娘が自分の心情を語る場面をカットバックさせたり、最後の親子対面が湿っぽくならなかったのはいいが、やはり題名を越えていない。
 「オトナのしおり とじて、ひらいて」は、加藤義一監督の新作。ヒロインは小さな不動産会社で働きながら、小説を書いている。文芸サークルの発表会のため、未知のジャンルであるBLに挑戦している。
 ヒロインには唯一の読者であるオタク青年の友人がいる。鍵を渡されているらしく、家で料理を作ったりするが、セックスの匂いはしない。しかし青年はヒロインが好きなようだ。
 新たに会社に入ってきた同僚は、「予約完了」が口癖のチャラ男。しつこくヒロインを誘う。相談された青年は、一度だけ会うようアドバイスする。しかし最初のデートであっさり関係を持ってしまう。
 自分の好きな女性にデートさせる青年、過去の失恋があるのに、チャラ男とすぐ関係するヒロイン。さらに同僚はデートに不思議ちゃんな女性を連れてくる。どうやら本当に好きなのはこの女性の方で、ヒロインはダシに使われたらしい。あまりにひどすぎる。
 この若い3人の描き方はどうも乗れない。しかし不動産会社の社長と元妻のエピソードは面白い。社長と元妻はともに元教師で、社長が不動産会社を継ぐことで別れてしまった過去も興味深い。
 加藤監督としては、物足りないところがある。しかし3組の男女が新たな段階に入る幕切れはよし。前作の不振をやや取り戻したか。
 
 
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