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2020年06月30日22:04

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今週のオークラ

 上野オークラで深町章監督04年作品「女将と仲居 あたたかい股間」(公開題『未亡人民宿3 女将の濡れたしげみ』)。経営が苦しくなった旅館で、未亡人の女将が枕営業する話と思ったら、旧知の番頭を頼って旅館にやって来た風俗嬢の方が事実上の主役。
 仲居となった風俗嬢が、詐欺師に金をだまし取られたり、古い客の老人のために一肌脱いだりと騒動を起こす。里見瑤子さんのテンション高い演技が楽しい。最後に登場人物たちが観客に向かって「おめでとうございます」。これは正月映画のため。途中で公開時観ていることに気づくが、ほぼ内容は忘れていた。気楽に楽しめる映画。
 石川欣監督の新作「優しいおしおき おやすみ、ご主人様」。84年のデビュー作「若妻変態性戯」を観たとき、実に面白い新人が出てきたと思った。その後も85年の「巨大バスト99 Dカップの女」87年の「痴漢バス バックもオーライ」「若奥様のナマ下着」など面白い作品を連打し好きな監督だったが、その後Vシネが主戦場となってしまい、観る機会がなくなってしまった。久しぶりのピンク映画に観る前から期待。
 「ポジティブM女」であるヒロインのキャラクターが面白い。無職の中年男の奴隷だが、肉体的なSM関係ではなく、「徹底的に尽くす」女性なのだ。そして過眠症なのか、突如眠くなったりする。これも後で効いてくる。
 「ご主人様」の男は、かつてヒロインの上司だったが2人の関係を妻に知られ、慰謝料のために会社の金に少しだけ手を付け、それがばれて退職。今はヒロインの失業保険で暮らしている。就職活動もうまく行かず、かつての夢である作家を目指す。
 妻が言う通り、「ダメンズ」だ。小説が書けるわけもなく、気持ちだけは谷崎潤一郎気取りの男は、ヒロインを行きつけの焼き鳥屋のアルバイト青年を誘惑するよう命じる。男は出かけようとするヒロインを前におどおどしている。この時点で結果は見えている。帰って来ないヒロインを探しに夜の街を走る男。哀れを通り越して滑稽だ。
 行き詰まった男は、ヒロインを青年と関係するよう命じ、その結果自分を捨てても良しと言い出す。そしてその通りになる。2人の関係は、「若妻変態性戯」の強盗とその女
「痴漢バス バックもオーライ」の刑事と風俗嬢、「若奥様のナマ下着」の刑事と被疑者の女のような儚い関係の繰り返しと見えた。ところが最後にまた話が一転する。これはOP映画の要請によるものか。
 それでも石川監督は、上野オークラで珍しく笑いが起きたヒロインのとぼけたナレーションなど、上手くコメディタッチへ持って行き、しっかり着地させた。ラスト近くにもう少しヒロインの心情を見せる描写があればと思うが、それはR15版なのか。
 それでもさすが石川監督、楽しめる作品となった。ロケ場面で風景にぼかしが入るのは、コンプライアンスのためか。ピンク映画にもこの波が来てしまったか。
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