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2020年02月26日21:50

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とってもゴースト

 キネマ旬報シアターで「とってもゴースト」。この映画知らないぞ。映画雑誌にも載っていない。聞くところでは、この劇場で1日1回1週間のみ上映されるらしい。気になって観に行く。
 世界的ファッションデザイナーであるヒロイン。スタッフを罵倒し、インタビューを取ろうとして土下座する記者にも冷酷。ところが翌日仕事場に来ると、誰も自分を認識しない。前日車で事故を起こし、死んで幽霊になったと分かる。
 傲慢な人間が幽霊になって彷徨うことで、自分の生き方を見直す。よくある話だが、驚いたことに冒頭から登場人物たちが歌いだす。この映画はミュージカルだ。
 死者をあの世に連れて行き、生まれ変わらせるのが「ガイド」。これは生前業を残した者で、一定数連れて行けば自分も生まれ変われる。このガイドは後1人。しかしこの世に未練のあるヒロインは逃げ回る。その中で唯一自分の姿が見える靴のデザイナー志望の若者と出会う。
 元は舞台のミュージカルだが未見。主演が元宝塚の安蘭けいなので、ヒロインは安心なのだが、他のキャストの歌が心許ない。予算がないのか、レストランでのダンス場面はちょっと狭さを感じる。
 怨みを残して死んだ幽霊は、「カタマリ」と呼ばれる地縛霊のような存在になってしまう。生前のガイドと別れた妻は、カタマリとなっている。妻と和解し、昇天させたガイドは倒れる。ガイドはどうなったのか。そしてガイドの娘はどうなったのか。これが気になってしまう。
 不満な面は多くある。しかし生の無条件での肯定、そして最後の余韻は悪くない。角川裕明監督も上映前の舞台挨拶で語っていたが、ミュージカル映画が日本でも作られることを目指す姿勢はよし。この映画が他でも上映され、次回作はもっと予算をかけてミュージカルを作ってほしい。
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