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2020年01月27日22:02

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未体験ゾーンの映画たち

 今年もジャンル映画を集めたヒューマントラストシネマ渋谷のイベント「未体験ゾーンの映画たち」に通う。
 「デビルズ・ソナタ」はかつて一世を風靡した作曲家が、隠遁生活をしていたフランスの田舎で自殺。有名バイオリニストの娘は、父の屋敷で遺作の楽譜を見つける。
 作曲家はオカルトに傾倒していたので、これが悪魔を呼び出す楽譜であることは想像がつく。しかしその後の目的が不鮮明で、怖くならず。娘のマネージャーのアルコール依存、行方不明の子どもの写真、父の家政婦とはしっかりフランス語で会話するなど、細かいことろができていただけに残念。アンドリュー・デスモンド監督もキャストも知らない名前。唯一知っているのは作曲家役のルトガー・ハウアー。しかし拘束2日程度の出番。
 「死霊船 メアリー号の呪い」。主人公の船長は、釣り船のオークションで見つけた古い船に惹きつけられ、衝動的に購入。クルーズ船として改造し、家族とともに航海に出るが、不可解な現象が起きる。
 限られた空間で家族が幽霊に追い詰められるのは、「シャイニング」を思わせるが、こちらはこけおどし描写が目立つ。娘のボーイフレンドが撮った写真に何かが映りこむ場面など、もっとさりげなく見せるべきでは。ゲーリー・オールドマン、エミリー・モーティマー主演で期待したが凡作。
 「リトル・モンスターズ」はエイブ・フォーサイス監督のオーストラリア映画。タイトルバックは男女の喧嘩が繰り返される。男はかつて人気バントにいたが、解散後はストリートミュージシャン。要は無職で、過去の栄光が忘れられない大人になれない男。家を追い出された男は、シングルマザーの姉の家に転がり込む。
 甥とは精神年齢が近いのか、気が合う。甥を連れての復縁計画が散々な結果になる場面はおかしくも悲しい。しかし男は甥の先生ルピタ・ニョンゴに一目ぼれ。煙たがられながらも幼稚園児たちの遠足の手伝いをすることになる。
 ところが行った先の牧場でゾンビが発生。皆は土産物屋に立てこもる。ゾンビ映画だが、面白いのは子どもたち。アレルギーを持っていたり、何かと我儘だったりする子どもたちに、「ライフ・イズ・ビューティフル」のように危険を悟られないようにして脱出を試みる。男の危機に現れる「ダースベイダー」には感動させられる。
 歌いながらトラクターで脱出するゾンビ映画は初めて観た。男の成長がしっかり描かれているし、ウクレレでテイラー・スウィフトを歌いつつ、ゾンビと戦うニョンゴもいい。楽しめる映画で、この企画に初日が出た。
 「ハード・ナイト」は、近年活動の場を中国に移したレニー・ハーリン監督の香港映画。ニック・チョンの監察医とその助手ヤン・ズーと、押し入ってきた3人組の男との攻防戦。閉ざされて空間での闘いで、舞台はクリスマスイブ。「ダイ・ハード」を意識しているだろう。それも自身の監督作である「2」よりも「1」。
 肉弾戦が強調され、さらに手近にあるものを武器として使うのは、ジャッキー・チェン映画以来の香港映画の伝統。そして犯人たちの正体は、大陸の映画では不可能な設定。久しぶりに香港映画を観た気がする。
 普段悪役の多いニック・チョンがヒーローなのもいい。民主化デモ支持を表明したので、仕事を減らされていると聞くが、この映画は良かった。
 他にも楽しみな作品があり、後半も通う予定。
 
 
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