ルームメイト

　ナカノバ小劇場のこけら落とし公演「ルームメイト」を観劇。佐々木基子さんこと斎木享子さんと、劇団「ＳＰＩＲＡＬ　ＭＯＯＮ」の最上桂子さんの２人芝居。
　女性２人が暮らしている部屋。１人が男と電話で話している。結婚を決め、もう１人に出ていってもらおうとの会話。
　そこへもう１人が帰ってきて、失業したので家事をやるから家賃を安くしてくれと言いだす。さらに結婚相手はもう１人の元夫と分かり、さらにややこしくなる。
　１人が言いにくいことをいかにして伝えるかと苦心すれば、もう１人がそうとは知らず打ち砕くようなことを言う。この会話の面白さ。そして２人のこれまでの人生が見えてくるのもいい。
　斎木さんが何度かかかってくる男からの電話に出るが、男の声は聞こえないにもかかわらず、話の内容が伝わってくるのはさすが。着信音がクリスタルキングの「大都会」なのも女性の年代を感じさせる。
　上演時間は６０分ほどだが、話があちこちに飛びつつ、納得させる着地。面白い脚本と、芸達者２人の芝居で見せた。