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2020年01月25日00:17

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ハスラーズ

 朝日ホールでローリーン・スカフィリア監督「ハスラーズ」の試写。07年ニューヨーク、介護が必要な祖母を抱え困窮するコンスタンス・ウー演じるデスティニーは、ストリッパーとして働くことになる。ステージで札が飛び交うトップダンサーのジェニファー・ロペスのラモーナと出会い、親しい関係に。ラモーナの指導で、デスティニーはストリッパーとしてのし上がる。
 ストリッパーたちが、ウォール街の裕福な男たちから大金を詐取した実話を基にしているそうで、痛快なコンゲーム映画だと思った。冒頭にディスティニーが男たちから次々搾取される様を描いているのでなおさらだ。ところが観終わった後の感覚は全く違う。
 突如場面は14年に記者から取材されるディスティニーに移る。以後過去と現在を行き来しながら、14年に近づいていく実録もの。
 08年のリーマンショックでストリッパーたちは大打撃。ディスティニーも結婚してアリゾナに転居するが、不実な夫と別れ、娘とともに再びニューヨークへ。再会したラモーナ、かつてのストリッパー仲間のジュリア・スタイルズ、キキ・パーマーとともに、ウォール街の男たちから金を奪う計画を立てる。
 それもハニートラップで薬入りの酒を飲ませ、クレジットカードから金を引き出すあまり頭を使っていない手法。しかしマチズモなウォール街の男たちが訴えないこともあって、女たちは大金を稼ぐ。中盤の女だけのクリスマスパーティは至福。しかしバックで流れるのは「別れの曲」。後半の破たんを予感させる。
 舞台となったストリップ劇場が警察の手入れで閉鎖。ここから運気が下がる。そうなるとラモーナの短慮が目立ち始め、ディスティニーと溝ができる。病気の子どもを抱える父親の身ぐるみをはぐのは、もはや強欲なウォール街の男たちと変わりない。
 最後のディスティニーの行動は母親ゆえ。それを受けるラモーナの行動も母親ゆえで、切ない気分にさせられる。女たちの連帯と苦い決裂を、リーマンショック前後を舞台に描いた社会派作品。途中不親切な描写で話がわかりにくくなったり、必ずしも成功作とは言えないが、現代のMe Too運動時代の映画だ。
 
 
 
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