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2019年01月19日21:50

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未体験ゾーンの映画たち

 ヒューマントラストシネマ渋谷で、今年も開催の「未体験ゾーンの映画たち」に通うが、なんと2度満員で入れず、今のところ2本のみ。
 「シークレット・ヴォイス」は、カルロス・ベルムト監督のスペイン映画。前作「マジカル・ガール」は、観る前の予想と、観終わった後の感想が全く違う作品で驚かされた。この作品も、10年間沈黙する有名歌手と、その大ファンであるシングルマザーの出会いに驚かされる。有名歌手は浜辺で事故に遭って記憶を失う。復帰コンサートが迫っているため、歌や振り付けを全て覚えているシングルマザーが教師として雇われる。
 この意外さが、「マジカル・ガール」の空から降ってくる吐しゃ物で男女が出会う物語と同じだ。前作はいかがわしい館の登場や、銃撃など派手な展開となったが、こちらは2人の女が1人になっていく。
 歌手がシングルマザーに衣装をプレゼントし、それを着て歩くなど格好から入り、やがて共通の体験をしていることがわかる。シングルマザーは、23歳になって仕事もせず、親に金をたかる娘を始めて拒否し、歌手は終盤に意外な母親に関する告白をする。ともに愛する者を捨てる。
 全ては説明されないが、序盤にそれぞれが浜辺にいる場面は、入水自殺を図ったのではなかったか。最後にシングルマザーが朗々と歌う長回しが、コンサート会場につながる場面は圧巻。寓話のような話で、今回も楽しめた。こんな作品を公開してくれるのがありがたい。
 「テリファイド」は、デミアン・ラグナ監督のアルゼンチン製ホラー映画。台所で家事をしている妻。そして夫に排水溝から「お前を殺す」の声が聞こえた、と告げるファーストシーンから不気味。
 妻の凄まじい死にざまから、視点が隣家の男、捜査する刑事へと移るのは「呪怨」、後半に事件のあった家を科学者たちが調べるのは「ヘルハウス」を思わせる。これら先達にオマージュを捧げつつ、ゾンビでなく死体が家に戻ってきたり、画面の隅に映る異形の存在など、独自の怖さがあって面白い。襲ってくるのが幽霊でなく、未知の生命体なのも珍しい。
 この作品も公開してくれてありがたい。ギレルモ・デル・トロ監督でリメイクされるとあるが、本当だろうか。
 休みの日は満員が多い。キャパ60のシアター3ではなく、もっと大きな劇場で上映してほしい。
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