mixiユーザー(id:6400308)

2018年11月17日23:40

57 view

トリックスター

 下北沢「劇」小劇場でSPIRAL MOON「トリックスター」を観劇。この劇団には珍しくやくざ物。しかし事務所には絵が飾られたり、全くやくざ風ではない。金融が仕事らしく、多重債務者には強面を見せるが、弱者の味方であり、マキノ雅弘監督の任侠映画に出てくるような現実には存在しないやくざ。
 組長は先代の未亡人で、後継者も娘と女系。構成員は社会からはじき出された人々であり、弱者の駆け込み寺のようになっている。この組から金を詐取しようとする特殊詐欺集団。これを迎え撃つ組との頭脳戦となる。
 しかし、コンゲームの面白さよりも、人情話の方に比重が大きい。弱さを抱える女組長を支える構成員や、家業に複雑な思いを持つ娘と母親や伯母の関係。元特殊詐欺の受け子だった青年が、老夫婦から金を取れなかった話が泣かせた。 
 彼らに警察や多重債務者も味方する。やくざ物というより、弱者を救済する夢のような集団を描きたかったのだろう。カーテンコールの後も、構成員や友人たちが食事する場面が続くのは、この集団の絆を見せるためか。そして新たな敵は、この国最大の嘘つきである総理大臣なのもいい。前回より楽しめる出来だった。
2 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2018年11月>
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930 

最近の日記

もっと見る