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2019年09月15日17:22

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上野女流棋聖が決勝進出=全棋士参加棋戦で女性初−囲碁・竜星戦

■上野女流棋聖が決勝進出=全棋士参加棋戦で女性初−囲碁・竜星戦
(時事通信社 - 09月14日 23:30)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=5789073

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囲碁の上野愛咲美女流棋聖(17)が14日、第28期竜星戦(囲碁・将棋チャンネル主催)決勝トーナメント準決勝第1局で許家元八段(21)に256手で白番中押し勝ちした。全棋士に参加資格がある棋戦で女流棋士が決勝に進むのは史上初。決勝は23日に行われる。

 これまでの全棋士参加棋戦での女流棋士の成績は、藤沢里菜女流4冠(20)らのベスト8が最高だった。 
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一部の人にとって、昨日(2019/09/14)の夜八時は、サッカーのワールドカップの日本の試合みたいなものだった。そりゃ、お相手の許家元には申し訳ないが、これはたぶん、仕方ない。次の決勝で相手となる棋士は、もちろんどれだけの好青年であろうが悪役決定なのである。

知らない人に説明するのは難しい。まず決勝に進んだだけで、これはなかなかの話である。全棋士の中のベスト16であるから、ワールドカップの決勝に進んだようなものだ。もちろん、男子の大会でなでしこが決勝に出たような快挙、というのは、間違っている。囲碁は、サッカーやゴルフ程の男女差はない。程のというよりも、全くの互角というのが基本的な考えである。もちろん、女性であることによる不利益も利益もある。それは世界のどこでもある話だ。

で、問題はそういう話ではないのである。どれくらい凄いかというの、タイトルを幾つも取って生きた高尾紳路九段、現役のタイトルホルダー村川大介八段、若手でも最有力のひとり許家元八段と戦って勝ったのである。ちなみに彼女は二段である。

先の人たちをゴールド聖闘士としたら二段なんかブロンズでさえない。まったくの素手みたいなもんである。クロスを貰う前の練習生みたいなもんである。ひかるの碁で、なんでこんな強い二段がいるのよとアキラが言われていたけど、現実版のあれが起きたという感じか。

しかも、ガチの殴り合いで勝ったというのがもっぱらの評判である。番組中でも解説の林漢傑が言っていたのが、許さんがカミソリなら上野さんはハンマー。ハンマーと言えば、普通は、シティハンターを思いだすけど、どっちかと言えば、鋼錬のアームストロングの肉弾戦か、パンプキン・シザーズの0距離射撃みたいなもんか。

という訳で、昨日の戦いなど、あれ、本当に佐為が取り付いているんじゃないよね、とか思わないでもない。AIの候補手との一致率なんかを見ると、まさか、AIを脳内に埋め込んだんじゃないよね、まさか、八百長と思わないでもない。

それくらいに凄まじいかった。昨日は普通の大判解説ではなくて、AIを使ってのLIVE解説だったから、常に候補手は出るし、両者の勝率まで表示される。AIのサジェスチョンなんかに惑わされてはならない、と思いながら、圧倒的な説得力を持つ。一致する手を打てば正しいと思い込む。違う手を打つと、まさか負けてしまうのではないか、と勝手に思う。

昨日の観戦の大発見はこれだったろう。AIとの一致率に一喜一憂している感じは、決して良くはない。だけど、ある意味、解りやすくもある。AIと一致率が高い方が勝つゲーム、というのは、きっと見た事のない人やルールを知らない人にとっては面白さがより具体化すると感じた。

野球やサッカーでも、どこをどう攻めるだの、誰を代打に出すだのまでプロさながらの観戦をする人がいる。こういう経験者であったり、どっぷり嵌った人では、プロスポーツは成立しない。初心者お断りの雰囲気まで出すので、ビジネスとしてみれば織り込むべきリスクでさえある。

だが、一方で強くなければ人気など出るはずがない、勝たなければファンは見向きもしないという落合博満のような考え方もある。実際に、人気がでるスポーツはどれも、サッカーであれ、ラグビーであるし、ある勝利を切っ掛けてとしている。渋野日向子がこれほどの人気を出したもの全英オープンを優勝したからだ。

いずれにしろ、新しい経験に混乱するのは当然で、それは互いによい着地点を見つけるべきものだろう。囲碁の面白さの90%は解説が決めるのである。これだけは間違いない。アマチュアとはいえ、段位者までくれば、どういう手を打ったのにはこういう意味があるというのは、打たれれば理解できる。そこまで深い理解ができる人には、深みのある面白さがあるだろうが、多くのファンはそうでなない。やはり一手の意味を説明してもらう必要がある。

解説で名人と言えば、将棋の米長邦雄だろう。この人の解説は絶品であった。僕は一手の意味など説明しません、どうせみなさんには理解できないでしょうから、みたいな解説をするんだけど、その分、その一手に込められた気持ちを代弁していて面白かった。この手は、もうやけっぱちですね、とか、これは勝ちましたという宣言です、みたいな感じの説明を延々とする。打つ人の弱気や頑張りを代弁するような解説だった。

これに近いのは、趙治勲の解説だろうか。ここで、絶対に勝てる手があるんだけど分かりますか?、そうこことこと、二手打てば絶対勝てるんです。もう誰がやってもこの手で勝てるんですけど、そうは打てません、反則負けになっちゃうから、みたいなふざけているんだか、深いんだか分からない解説をしてくれる。この人も最後は勝ちたいという気迫みたいなものを重要視している。

もちろん、そういう解説だけが名解説ではない。羽根直樹の解説は少しだけ囲碁が分かってくるととたんに面白みが理解できるし、林漢傑の解説は自虐も入っているユーモラスだけど、面白い。囲碁がわかるとは解説が楽しいという意味なんだろう。

さて、今回の戦い、AIの手との一致率ばかりに注意がいって、実は何が起きて、どういう戦いが繰り広げられたかはよく分からなかった。二か所も石が取られてそれでも勝つってどういうこと、みたいなのが実は理解できない。これがAIの弊害なんだろうか。

でも、7の読みで石を持ち、9の発生で石を置く上野愛咲美女流棋聖の打ちっぷりに司会の吉原由香里がアッ、ハッとかいちいち驚いていたが、あれ若さだよな、と感じた。石が手から滑って落ちてゆくなど、夢にも思わないのは、手の油がちゃんと出ているからだ。年をとったらつるつる滑るってのはそりゃ10代では理解できるはずがない。

だから、思うのだけど、今回のLIVEで一番どきどきしたのは、読み上げをした安藤和繁だろう。「じゅー」と言ったらそれで時間切れである、負けである。勝敗を決めるのは対戦者だけではない。自分が勝敗を決めてしまうかも知れない。これだけの注目された試合で、しかもライブで囲碁ファンが見ている。

コンサートの途中でブレーカーを落したら怒られるだろう、それなのに、なんで俺にブレーカーのスイッチを渡すのか、みたいな話である。どんな名局も好局も時間切れになれば、終わり。そのストレスはいかほどか。

第2局 一力遼 vs 鈴木伸二は明日16日20:00、決勝戦は23日20:00である。全員、刮目して録画予約せよ。


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