悟空のように“重力100倍”で修業したら普通の人間はどうなる!?【ドラゴンボール】
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「『ドラゴンボール』で、悟空は何倍もの重力で修業しましたが、実際にやったら、体はどうなりますか。」という読者からのギモンに、WEBマガジン「週刊ジョージア」で空想科学研究所の柳田理科雄が答えた!
【図解】普通の人間が100倍の重力室に入ると血液が…
P.N.ひろゆきさん、質問ありがとう!
これはフリーザ編で悟空がやった特訓ですね。
■ 100Gって、どんな世界?
あまりにムチャな悟空の修業だが、こんな特訓をしたら体はどうなってしまうのだろうか。
重力の強さを表す単位は「G」。
地上の重力と同じなら1G、100倍なら100Gだ。
出発前、人工重力装置を開発したブルマの父が、こう警告していた。
「100Gといやあ なんだよ 60キロの体重だったら6000キロになっちまうんだよ! 6tだよ! 死ぬよ ふつうだったら」
そのとおりでしょうなあ。
100Gになったら…その1。
100Gのもとでは、全ての物の重さが100倍になる。
筆者のスマホは、ケース込みで300gだが、これが30kgに!
とても携帯できない。
体重も、ブルマの父が指摘するように100倍になるのだから、立つこともできないだろう。
これに関しては、筋肉を鍛えても、どうにもならない。
人間の大腿(だいたい)骨は、片足で800kgの荷重に耐えるが、体重が6tになったら、その限界強度を超えてしまうのだ。
筋肉をどれだけ鍛えても、骨がもたない。
悟空の場合は……、うーん、なんらかの方法で、骨も少しずつ強くしていったとしか思えないなあ。
100Gの重力下で起きることは、それだけはない。
100Gになったら…その2。
落下の衝撃が100倍になる。
同じ高さから落ちても、100倍の高さから落ちたのと同じダメージを受けるのだ。
例えば、高さ20cmの段差を降りると、高度20mから落ちたのと同じ!
並の人間だったら、階段を下りただけで死にます。
100Gになったら…その3。
物体を同じ高さから落としたとき、落下の法則から速度は10倍になり、落下にかかる時間は10分の1になる。
これは、何かにつまずいて転ぶ場合も同じだ。
身長170cmの人が地球上で転ぶと、0.42秒後に時速15kmで地面にぶつかる。
100Gのもとでは、0.042秒後に時速150kmで激突!
とっさに手を突くヒマもなく、顔面を超強打!
転んだが最期、やっぱり死にます。
100Gになったら…その4。
血液が体の低いところに集まる。
10Gを超えると、その影響で、脳に血液が不足したり、血液が集まり過ぎたりして、失神するといわれる。
100Gになると、失神も失神、大失神。
…いや、これもやっぱり死ぬかな。
■ どれほど強くなった?
というわけで、何がどうあっても死んじゃいそうな気がするけど、それはもちろん普通の人間の場合。
5日間修業した悟空は、ものすごいレベルに達していた。
100Gの重力下、右腕1本だけで逆立ちして、その右腕だけで2mほどジャンプし、足で着地したのだ。
これは地球上なら、右腕だけで200mジャンプできるということだ!
ものすごい!
悟空はどれほど己を鍛えたのか。
ジャンプの直前、右腕を10cm曲げたとすると、そこから200mジャンプしたということは、腕は体重の200m÷10cm=2000倍の力を出したことになる。
普通の人間は、両手で逆立ちするのが精いっぱいだろう。
これは片手で体重の半分を支えられるということだ。
すると、腕力は普通の人間の4000倍に!?
その後、悟空は人工重力装置のスイッチを切って、どれほど強くなったかを確かめた。
野球ボールほどの石を水平にぶんっと投げ、シャッと走って、パシッとキャッチしたのだ!
悟空の表情から推測すると、投げるとき、普通の人間が時速80kmで投げるぐらいの力を入れていたと考えよう。
すると、実際にはその4000倍の力がこもっていたはず。
その場合、速度は63倍となり、時速5050km!
その石をキャッチできたということは、悟空は時速5050km以上で走れるようになったわけだ。
これはマッハ4.1であり、100m走のタイムは0秒071!
いやあ、何がなんだか分からない世界ですね。
あまりにも恐ろしい重力100倍特訓。
何度も言うけど、普通の人なら確実に死ぬので、機会があっても実践しないでください。
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ちょっと待ってください。重力が100倍になるということは、単に体重が100倍になるという話ではないでしょう。
『100Gのもとでは、全ての物の重さが100倍になる。 物体を同じ高さから落としたとき、落下の法則から速度は10倍になり、落下にかかる時間は10分の1になる。落下の衝撃が100倍になる。』
重力は4つの力の一つであるから、あらゆる物理法則が書き換えられなければならなくなる。
とくに量子力学では重力だけは含められなくて四苦八苦していると噂には聞くが、残りの3つの力だって、重力と平衡となる力だから破たんすることもなく成立しているわけだ。
重力はあらゆる力の中でもっとも弱いと言われる。しかし到達する距離はもっとも遠いと聞いた。
どれくらいか弱いかといえば、僕には計算できないが、幸いにしてブログをハイエナングすれば、良記事が見つかるものである。
http://blog.livedoor.jp/youchan1201-puchan/archives/20018913.html
「強い相互作用」は「1」。
「電磁気力」は「0.01」。
「弱い相互作用」は「0.00001」。
「重力」の大きさは「0.0000000000000000000000000000000000000001」だということだ。
これを書き換えると
「強い相互作用」は「0乗」。
「電磁気力」は「―2乗」。
「弱い相互作用」は「―5乗」。
「重力」の大きさは「―40乗」。
という比が得られる。
このうち、重力が百倍になれば、−38乗という話。1,2,5,40で釣り合っている世界のひとつだけが100倍になったらどういう世界になるかというお話である。
重力の弱さの秘密が、他の次元に漏れていて、または縛られていて、この次元では全力を発揮できない、みたいな説もあるそうだが、よく知らない。
重力が100倍になれば重量が変わるのは納得できるが、質量はヒッグス粒子によって生じる。ある意味では重量とはヒッグス粒子をとれだけの重力子が捉えているかという話でもある。
さて、何が言いたいかといえば、重力だけが100倍になった世界で、果たして素粒子は、そして原子だの分子はどういう振る舞いをするかという話がしたいのである。
例えばブラックホールは重力子の固まりと考えれば、当然ながら銀河団創成の在り方も変わるだろうという予想が成り立つわけである。
たかが100倍とはいうけれど、人間原理によれば、その100倍は果たして人間(生命の一種)が誕生する条件を満たしているかという話でもある。
太陽の重力が100倍になれば、地球がこの場所にいることは不可能だろう。ちょうどよく、太陽の周りをまわるためには、もっと遠いところでないといけないような気もする(計算できるひとよろしく)。
すると当然だが太陽光のエネルギーが足りなくて(距離の二乗に反比例だっけ)、とても生命は存在できない気がする。生命とは所詮は恒星のエネルギ―を、最も効率よく浴びようとする分子の一形態に過ぎない。
ハビタブルゾーンの位置だって変わりはしないか。
このあたりをきちんとした数学的基礎に基づいて説明できればもっと面白いのだろうけど、その力が残念ながらない。
それでも、断言してよいが、マルチバースな世界には重力だけが100倍の世界が必ずある。そう物理学者たちは述べている。
僕もその見方に賛成だ、というお話。
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