今回の判決が維持されるなら、法律を変えて、危険運転の類型に「高速道路上で正当な理由がないのに停車させた」場合も含めるように働きかけないとだめです。
東名あおり、被告に懲役18年
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=2&from=diary&id=5418501
ざっくり今回の事案の流れをみると
�。寛鵑量團好圈璽匹婆盟阿乏笋蟾�み→��停車→�Ｋ醜國��な娘嵶召猟鋲�
となり
当初検察は
��行為自体を危険運転の「車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、…かつ重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為」にあたると主張しました。
この構成が採用されるメリットは、停車行為が上記の条文に該当することが明らかになり、
今後猛スピードで直前に割り込み、減速して強引に停車させる行為も当該条文で処罰できるようになること、
そして、それをクリアできれば前の日記で書いたように平成16年判決の論理が作動して、因果関係もほぼ確実に認められるということが挙げられます。
しかし、一方、今回の判決でこの構成が否定されたようにデメリットが大きい構成でもありました。
それはこの危険運転の罪が重い罪であることから、むやみやたらと条文に書いてある行為を広げることができないことです。
上記の条文にはっきり「自動車を運転する行為」と書かれてしまっているため、ここからは停車行為が入るとはふつう考えられません。
なので、解釈で「運転する行為以外も含まれる」と考えなくてはならないのですが、
本来全部の罪がそうですが、特に重い罪は規定されていること以外を読み込むことが難しくなっています。
いろいろ理由がありますが、まずいのは一回でも規定されているものより範囲を広げると、広がりっぱなしになり、今回の事例ではよくてもいつか本来は重罰にあたいしない人のはずなのに、不当に厳罰に処される人がでてきてしまうことです。
そこで地裁が採用したのは、「危険運転の上記条文を適用するのが問題ない」�々坩戮鮟菷海梁仂櫃旅坩戮箸掘↓す坩戮醗�果関係があるから危険運転の罪が適用されるという構成でした。
この構成のメリットは、危険運転の罪の解釈を広げることなく本件事案に危険運転の罪を適用できることです。
しかし、デメリットとして、因果関係を肯定するのが上の構成に比べて難しいということがありました。
前に書いた平成16年判決と違い、猛スピードで直前に割り込む行為の危険性が、停車行為よりも追突を招く危険性が高いと言えるかが微妙であり、因果関係を認めるうえで必要な「危険の現実化」が認められないかもしれなかったこと
そして、平成16年判決は業務上過失が問題になったため、「過失」行為にあたるかが争点だったため、上記危険運転の条文と違い、わりと漠然とした規定振りの「過失」行為には停車行為、暴行行為など複数の行為を入れ込むことができた。
しかし、今回は行為が具体的に規定されている危険運転の罪であるため、�々坩戮法↓◆Ν９坩戮魏談�して考えることができないのではという疑問があることがネックでした。
そんな懸念がありましたが、地裁はほぼほぼ、平成16年判決とおなじ流れで因果関係を認めています。
では、被告に危険運転の罪が適用されてよかったで終わりでいいかというとそうではありません。
最高裁まで行って、結論変わる可能性は十分あるというのを除いて
今回の判決が維持された場合には
まず、高速道路での停止行為自体は危険運転の罪に入らないので、今後も停車行為自体は危険運転の罪に問うことはできません。
あくまで、今回と同じようなやりかた＋経緯で結果発生しないと同じに扱われません。
そして、これは予測ですが、仮に今回と同じような経緯で発生した死亡事故でも、�な娘嵶召猟鋲佑��々坩戮�ら時間が「離れている」場合には今回の判断のようには因果関係が認められないのではないかと考えます。
それは、あくまで�々坩戮鯊仂櫃箸垢襪覆蕕弌�加害者が運転中に発生させた交通事故の危険性が、�い鰺業�しなければ、�々坩戮隆躙雲�が現実化したとは言えないため、
長時間停車させた場合にはもはや運転中に発生させた危険性は消滅すると考えられるからです。
今回は�△�ら�い泙任△泙蟷�間が離れていないことから
運転行為の危険性が残存し、それと停車行為、暴行行為が一体となって�い鰺業�した。だから、�々坩戮隆躙雲�が現実化した
そういう理屈を取っているなら
衝突までの時間の長短で結論が大きく違うという不当な結論になります（その場合はそれこそ監禁致死が有望ではないかと思ってはいますが）
以上から考えると、
高速道路に無理に停車させる行為を撲滅したいのであれば
危険運転の類型に停車行為を入れるということを立法に働きかけないと類似の事案すら危険運転に問えない可能性があります。
少なくとも、最高裁でこの事案に結論が出て、停車行為を危険運転の上記条文に含めるという結論が出ない限りは
立法に働きかけた方がいいと思います。
なお、なぜ殺人罪ではないのか
それは適用が難しいからです。
考えられるのは３パターン
１、被告が車をぶつけて殺そうとしていたところ、後続車が衝突した。か
２、被害者を停車させて、後続車に追突させて殺そうとした。か
３、被害者に事故らせて殺そうとしたになるとおもいます。
しかし、１はそもそも車をぶつけずに停車して、被告の車による衝突の危険性は消滅しているし、停車している以上、衝突によって殺そうという故意が認められない
２は他人の行為を利用する間接正犯でないと処罰ができないけど、後続車の動向を一方的に支配利用していたとは言えない。
３が有望かとは思いますが、被害者自体に事故を起こさせるならば、停車させるのはそれに反するため故意が認められないし、被害者に「対して」事故を起こさせるなら結局２の類型になるため否定。
だから本来だったら停車行為は、運転行為以外の自動車関連の行為が処罰される、今はなつかしき業務上過失致死（前回書いた自動車運転過失かもというのは詳しく調べたら間違いの可能性大。運転行為じゃなければ昔のように業務上過失になりそうだ。）にしかならないから、
それと傷害、器物損壊しか問えなかったところだった。
それを不当でないかと考えた検察がかなり確実でない橋を渡って危険運転の適用を争ったのが今回の経緯です。
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