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2020年03月26日00:24

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3月25日の司法試験問題 正解率45

1、利息に関する次のアからオまでの各記述のうち、誤っているものを組み合わせたものは、後記の選択肢のうちどれか。

ア.留置権者は、留置物から生ずる果実を収取し、他の債権者に先立って、これを自己の債権の弁済に充当することができるが、その果実は、被担保債権の利息に充当され、なお剰余があるときでも、元本に充当することはできない。

イ.債務者が利息の支払を1年分以上延滞し、債権者が催告をしても、債務者がその利息を支払わないときは、債権者は、これを元本に組み入れることができる。

ウ.主たる債務者の委託を受けないで保証をした保証人が弁済をしたときは、主たる債務者は、弁済がされた日以後の法定利息をその保証人に支払わなければならない。

エ.売主が、買主から売買代金の一部を受領した後、買主の債務不履行を理由として売買契約を解除した場合において、売主がその売買代金の一部として受領した金銭を買主に返還するときは、その受領の時から利息を付さなければならない。

オ.売買契約において、売主の目的物引渡義務が先履行とされ、かつ、代金の支払について期限がある場合、買主は、その目的物の引渡しを受けた後も、代金の支払についての期限が到来するまでは、利息を支払う必要がない。

1、ア ウ 2、ア エ 3、イ エ
4、イ オ 5、ウ オ


こたえ
誤っているものは
『1』
ア.誤っている
留置権者は、留置物から生ずる果実を収取し、他の債権者に先立って、これを自己の債権の弁済に充当することができるが、その果実は、被担保債権の利息に充当され、なお剰余があるときでも、元本に充当することはできない。

ウ.誤っている
主たる債務者の委託を受けないで保証をした保証人が弁済をしたときは、主たる債務者は、弁済がされた日以後の法定利息をその保証人に支払わなければならない。

2、刑事補償請求権に関する次の学生アからエまでの各発言について、正しいものの組合せを、後記の選択肢の中から選びなさい。

ア.「抑留又は拘禁という人権制限措置を受けたけれども結果として無罪とされた者に、相応の補償をすることによって、公平の要請を満たそうとするのが憲法第40条なんだね。」

イ.「無罪判決を受けた刑事被告人が、抑留又は拘禁されたことを理由に、憲法第17条に定める国家賠償を求め得るケースはあり得ないからね。」

ウ.「憲法第40条は『無罪の裁判を受けたとき』について定めているけど、この文言の意味について、無罪判決が確定したとき又は一旦確定していた有罪判決が再審の結果取り消されて無罪が言い渡されたときを意味すると解する説によれば、同条は免訴や公訴棄却の裁判を受けた場合についても補償することを要請していることになるよ。」

エ.「不起訴となった事実Aに基づく抑留又は拘禁であっても、そのうちに実質上は無罪となった事実Bについての抑留又は拘禁であると認められるものがあるときは、その部分の抑留又は拘禁も憲法第40条の『抑留又は拘禁』に包含されるとした最高裁判所の判例があったな。」

1、ア イ 2、ア ウ 3、ア エ
4、イ ウ 5、イ エ 6、ウ エ


こたえ
正しいものは
『3』
ア.正しい
「抑留又は拘禁という人権制限措置を受けたけれども結果として無罪とされた者に、相応の補償をすることによって、公平の要請を満たそうとするのが憲法第40条なんだね。」

エ.正しい
「不起訴となった事実Aに基づく抑留又は拘禁であっても、そのうちに実質上は無罪となった事実Bについての抑留又は拘禁であると認められるものがあるときは、その部分の抑留又は拘禁も憲法第40条の『抑留又は拘禁』に包含されるとした最高裁判所の判例があったな。」

3、憲法の規範内容が踏みにじられたり不当に変質させられたりしないようにする様々な国法上の工夫は、広く「憲法の保障」と言われるが、その代表的な方法や考え方に関する次の記述について、正しい場合には○を、誤っている場合には×を選びなさい。

抵抗権は、政府による権力の濫用によって立憲主義秩序が破壊された場合に国民がそれに反抗する権利とされるが、実力の行使を伴う危険なものであるから、権利として実定法化することは不可能である。


こたえ
『X』

4、遺言に関する次のアからオまでの各記述のうち、誤っているものを組み合わせたものは、後記の選択肢のうちどれか。

ア.被相続人が遺言で推定相続人を廃除する意思を表示したときは、それにより推定相続人の廃除の効力が生ずる。

イ.判例によれば、相続人による遺言書の破棄又は隠匿は、相続に関して不当な利益を目的とするものでなかったときは、相続人の欠格事由に当たらない。

ウ.被相続人は、遺言により、遺産分割の方法を定めることを第三者に委託することができる。

エ.夫婦は、同一の証書で遺言をすることができる。

オ.複数の遺贈が遺留分を侵害し、遺留分減殺請求権が行使されている場合において、遺言者がその遺言に別段の意思を表示していなかったときは、各遺贈は、その目的の価額の割合に応じて減殺される。

1、ア イ 2、ア エ 3、イ ウ
4、ウ オ 5、エ オ


こたえ
誤っているものは
『2』
ア.誤っている
被相続人が遺言で推定相続人を廃除する意思を表示したときは、それにより推定相続人の廃除の効力が生ずる。

エ.誤っている
夫婦は、同一の証書で遺言をすることができる。

5、留置権に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは、後記の選択肢のうちどれか。

ア.AがBから甲建物を賃借し、Bに敷金を交付していた場合において、その賃貸借契約が終了したときは、Aは、敷金が返還されるまで甲建物を留置することができる。

イ.AからB、BからCに建設機械が順次売却され、BがAに対して代金を支払っていない場合に、Cが提起した所有権に基づく建設機械の引渡請求訴訟においてAの留置権が認められるときは、Cの請求は棄却される。

ウ.AがBから甲建物を賃借していたが、Aの賃料不払によりその賃貸借契約が解除された後、明渡しの準備をしている間にAが甲建物について有益費を支出した場合、Aは、Bに対し、その費用の償還請求権を被担保債権とする留置権を行使して甲建物の明渡しを拒むことはできない。

エ.甲土地の借地権者であるAが甲土地上にある建物について買取請求権を行使した場合、Aは、甲土地の賃貸人であるBに対し、その買取代金債権を被担保債権とする留置権を行使して甲土地の明渡しを拒むことはできない。

オ.甲建物の賃貸人Aが、賃借人Bに対して賃貸借契約の終了に基づき甲建物の明渡しを請求したのに対し、Bが賃貸借の期間中に支出した有益費の償還請求権に基づいて留置権を行使し、従前と同様の態様で甲建物に居住した場合、Bは、Aに対し、その居住による利得を返還する義務を負う。

1、ア イ 2、ア エ 3、イ オ
4、ウ エ 5、ウ オ


こたえ
正しいものは
『5』
ウ.正しい
AがBから甲建物を賃借していたが、Aの賃料不払によりその賃貸借契約が解除された後、明渡しの準備をしている間にAが甲建物について有益費を支出した場合、Aは、Bに対し、その費用の償還請求権を被担保債権とする留置権を行使して甲建物の明渡しを拒むことはできない。

オ.正しい
甲建物の賃貸人Aが、賃借人Bに対して賃貸借契約の終了に基づき甲建物の明渡しを請求したのに対し、Bが賃貸借の期間中に支出した有益費の償還請求権に基づいて留置権を行使し、従前と同様の態様で甲建物に居住した場合、Bは、Aに対し、その居住による利得を返還する義務を負う。

どんな問題もテキストに答えがある、か?

6、地方自治に関する次の記述について、最高裁判所の判例の趣旨に照らして、それぞれ正しい場合には○を、誤っている場合には×を選びなさい。

地方公共団体は、地方自治の本旨に従い、その財産を管理し事務を処理し及び行政を執行する権能を有し、その遂行のためには、その財源を自ら調達する権能を有することが必要であるから、地方自治の不可欠の要素として、課税権の主体となることが憲法上予定されている。


こたえ
『◯』

7、内閣及び内閣総理大臣に関する次の記述について、それぞれ正しい場合には○を、誤っている場合には×を選びなさい。

憲法第73条第6号は、内閣の政令制定権を規定しているところ、法律を執行するための必要な細則を定める執行命令及び法律が政令に委任した事項を定める委任命令は許されるが、既存の法律に代替する内容を定める代行命令は許されない。


こたえ
『◯』

8、次の記述における甲の罪責について、判例の立場に従って検討し、( )内の犯罪が既遂になる場合には1を、未遂にとどまる場合には2を、既遂にも未遂にもならない場合には3を選びなさい。

甲は、駅のホームのベンチで寝ているAの隣に座ったところ、Aのズボンのポケットに財布が入っていることに気付き、これを盗もうと考え、手を差し伸べて同ポケットの外側に触れたが、駅員が近付いてきたので、財布に触れることはできなかった。(窃盗罪)


こたえ
『2』

9、名誉毀損罪に関する次の各記述を判例の立場に従って検討した場合、正しいものはどれか。

1、摘示される「事実」は、非公知のものでなければならないから、公知の事実を摘示した場合には、名誉毀損罪は成立しない。
2、事実の摘示が「公然」といえるためには、摘示内容を不特定かつ多数人が認識し得る状態にあったことが必要であるから、不特定ではあるが、少数人しか認識し得ない状態にとどまる場合には、名誉毀損罪は成立しない。
3、名誉の主体である「人」は、自然人に限られるから、法人の名誉を毀損した場合には、名誉毀損罪は成立しない。
4、死者の名誉を毀損したとしても、虚偽の事実を摘示した場合でなければ処罰されないから、摘示した事実が真実である場合には、名誉毀損罪として処罰されない。
5、人の名誉を侵害するに足りる事実を公然と摘示したとしても、現実に人の名誉が侵害されていない場合には、名誉毀損罪は成立しない。


こたえ
正しいものは
『4』
4、正しい
死者の名誉を毀損したとしても、虚偽の事実を摘示した場合でなければ処罰されないから、摘示した事実が真実である場合には、名誉毀損罪として処罰されない。

10、不法領得の意思に関する次の記述を判例の立場に従って検討し、正しい場合には○を、誤っている場合には×を選びなさい。

甲は、町議会議員選挙に際し、特定の候補者を当選させるため、後日その候補者の氏名を記載して投票の中に混入することにより同候補者の得票数を増加させる目的で、投票所管理者乙の保管する同選挙の投票用紙を密かに持ち出した。この場合、甲に不法領得の意思は認められず、窃盗罪は成立しない。

10
こたえ
『X』

11、わいせつの罪に関する次の各記述を判例の立場に従って検討した場合、誤っているものはどれか。

1、甲は、人通りの多い駅構内において、自己の性器を露出させたが、実際には、それに気付いた人はいなかった。この場合、甲には公然わいせつ罪は成立しない。
2、甲は、日本国外で販売する目的で、日本国内において、わいせつな映像が録画されたDVDを所持した。この場合、甲にはわいせつ物有償頒布目的所持罪は成立しない。
3、甲は、友人乙からの土産に対するお礼として、わいせつな映像が録画されたDVD1枚を乙にプレゼントした。この場合、甲にはわいせつ物頒布罪は成立しない。
4、甲は、不特定多数の通行人を勧誘して5名の客を集めた上、自宅であるマンションの一室において、外部との出入りを完全に遮断した状態で、わいせつな映像が録画されたDVDを再生し、その5名の客に有料で見せた。この場合、甲にはわいせつ物公然陳列罪が成立する。
5、甲は、海水浴場において、不特定多数の者の面前で、乙女の衣服を全てはぎ取るなどして強いてわいせつな行為をした。この場合、甲には、強制わいせつ罪が成立するのみならず、公然わいせつ罪も成立する。

むなしいやつ(TT)
11
誤っているものは
『1』
1、誤っている
甲は、人通りの多い駅構内において、自己の性器を露出させたが、実際には、それに気付いた人はいなかった。この場合、甲には公然わいせつ罪は成立しない。

12、憲法の明文で規定されていない権利・自由に関する次のアからウまでの各記述について、判例の趣旨に照らして、正しいものには○、誤っているものには×を付した場合の組合せを、後記の選択肢の中から選びなさい。

ア.前科は人の名誉、信用に直接関わる事項であり、前科のある者もこれをみだりに公開されないという法的保護に値する利益を有するが、「裁判所に提出するため」との申出理由の記載があれば、市区町村長が弁護士法に基づく照会に応じて前科を報告することは許される。

イ.大学が講演会を主催する際に集めた参加学生の学籍番号、氏名、住所及び電話番号は、個人の内心に関する情報ではなく、大学が個人識別を行うための単純な情報であって、秘匿の必要性が高くはないから、プライバシーに係る情報として法的保護の対象にならない。

ウ.個人の私生活上の自由の一つとして、何人もその承諾なしにみだりにその容ぼう・姿態を撮影されない自由を有するが、速度違反車両の自動撮影を行う自動速度監視装置による写真撮影は、犯罪捜査の必要性・相当性があるから、本人の同意や裁判官の令状がなくても許される。

1、ア○ イ○ ウ○2、ア○ イ○ ウ×3、ア○ イ× ウ○
4、ア○ イ× ウ×5、ア× イ○ ウ○6、ア× イ○ ウ×
7、ア× イ× ウ○8、ア× イ× ウ×

12
こたえ
『7』
7のア× イ× ウ○

ア.誤っている
前科は人の名誉、信用に直接関わる事項であり、前科のある者もこれをみだりに公開されないという法的保護に値する利益を有するが、「裁判所に提出するため」との申出理由の記載があれば、市区町村長が弁護士法に基づく照会に応じて前科を報告することは許される。

イ.誤っている
大学が講演会を主催する際に集めた参加学生の学籍番号、氏名、住所及び電話番号は、個人の内心に関する情報ではなく、大学が個人識別を行うための単純な情報であって、秘匿の必要性が高くはないから、プライバシーに係る情報として法的保護の対象にならない。

ウ.正しい
個人の私生活上の自由の一つとして、何人もその承諾なしにみだりにその容ぼう・姿態を撮影されない自由を有するが、速度違反車両の自動撮影を行う自動速度監視装置による写真撮影は、犯罪捜査の必要性・相当性があるから、本人の同意や裁判官の令状がなくても許される。

13、思想・良心の自由に関する次の記述について、最高裁判所の判例の趣旨に照らして、それぞれ正しい場合には○を、誤っている場合には×を選びなさい。

市立小学校の入学式における国歌斉唱の際に「君が代」のピアノ伴奏をする行為は、音楽専科の教諭にとって通常想定され期待されるものであり、当該教諭が特定の思想を有するということを外部に表明する行為であると評価することは困難なものである。

13
こたえ
『◯』

14、文書偽造の罪に関する次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討した場合、Xに( )内の罪が成立しないものの組合せとして正しいものは、後記の選択肢のうちどれか。

ア.医師Xは、Yに依頼され、Yが保険会社に提出するために虚偽の病名を記載した診断書を作成した。(虚偽診断書作成罪)

イ.Xは、自動車運転免許の効力停止中に自動車を運転し、速度違反の取締りを受けた際、警察官に対し、あらかじめYから名義使用の承諾を受けていたことから、Yの氏名を名乗り、交通事件原票の供述者欄にY名義で署名押印した。(有印私文書偽造罪)

ウ.Yの代理人でないXは、Yに無断で、行使の目的をもって、金銭消費貸借契約書用紙に「Y代理人X」と記載し、その横に「X」と刻した印鑑を押すなどして、Yを債務者とする金銭消費貸借契約書を作成した。(有印私文書偽造罪)

エ.Xは、身分証明書として使おうと考え、A県公安委員会が発行したYの自動車運転免許証の写真をXの写真に貼り替えた。(有印公文書偽造罪)

オ.Xは、Yの所有する不動産を勝手に売却しようと考え、Yに無断で、行使の目的をもって、不動産の売買契約書用紙に売主として「Y」と記載するなどして、同不動産の売買契約書を作成したが、「Y」と刻した印鑑は押さなかった。(無印私文書偽造罪)

1、ア ウ 2、ア オ 3、イ ウ
4、イ エ 5、エ オ

14
こたえ
成立しないものは
『2』
ア.成立しない
医師Xは、Yに依頼され、Yが保険会社に提出するために虚偽の病名を記載した診断書を作成した。(虚偽診断書作成罪)

オ.成立しない
Xは、Yの所有する不動産を勝手に売却しようと考え、Yに無断で、行使の目的をもって、不動産の売買契約書用紙に売主として「Y」と記載するなどして、同不動産の売買契約書を作成したが、「Y」と刻した印鑑は押さなかった。(無印私文書偽造罪)

15、意思表示に関する次の各記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものはどれか。

1、Aは、その所有する甲土地についてBと仮装の売買契約を締結し、その旨の所有権移転登記をした。その後、Bがこの事情を知らないCに甲土地を売却した場合、BからCへの所有権移転登記がされていないときでも、Aは、Cに対し、AB間の売買契約の無効を主張することができない。
2、Aは、その所有する甲土地についてBと仮装の売買契約を締結し、その旨の所有権移転登記をした。その後、Bがこの事情を知らないCから500万円を借り入れたが、その返済を怠ったことから、Cが甲土地を差し押さえた場合、甲土地の差押えの前にCがこの事情を知ったとしても、Aは、Cに対し、AB間の売買契約の無効を主張することができない。
3、Aの代理人であるBは、その代理権の範囲内でAを代理してCから1000万円を借り入れる旨の契約を締結したが、その契約締結の当時、Bは、Cから借り入れた金銭を着服する意図を有しており、実際に1000万円を着服した。この場合において、Cが、その契約締結の当時、Bの意図を知ることができたときは、Aは、Cに対し、その契約の効力が自己に及ばないことを主張することができる。
4、AのBに対する甲土地の売買契約の意思表示について法律行為の要素に錯誤があった場合でも、Aに自らの錯誤を理由としてその意思表示の無効を主張する意思がないときには、Bは、Aの意思表示の無効を主張することはできない。

15
こたえ
誤っているものは
『2』
2、誤っている
Aは、その所有する甲土地についてBと仮装の売買契約を締結し、その旨の所有権移転登記をした。その後、Bがこの事情を知らないCから500万円を借り入れたが、その返済を怠ったことから、Cが甲土地を差し押さえた場合、甲土地の差押えの前にCがこの事情を知ったとしても、Aは、Cに対し、AB間の売買契約の無効を主張することができない。

16、Aは、Bに対する600万円の債権を担保するため、B所有の甲土地及び乙土地に、第一順位の共同抵当権を有している。Cは、Bに対する400万円の債権を担保するため、甲土地に、第二順位の抵当権を有している。この場合に関する次の1から4までの各記述のうち、誤っているものはどれか。なお、各記述において、競売の結果として債権者に配当することが可能な金額は、甲土地につき500万円、乙土地につき1000万円であり、また、各債権者が有する債権の利息及び損害金は考慮しないものとする。

1、Aが甲土地及び乙土地に設定された抵当権を同時に実行した場合、Aは甲土地から200万円、乙土地から400万円の配当を受け、Cは甲土地から300万円の配当を受けることができる。
2、先に甲土地に設定された抵当権が実行されてAが500万円の配当を受け、その後に乙土地に設定された抵当権が実行された場合、Aは100万円の配当を受け、Cは300万円の配当を受けることができる。
3、先に乙土地に設定された抵当権が実行された場合、Aは600万円の配当を受け、その後に甲土地に設定された抵当権が実行されたときには、Cは300万円の配当を受けることができる。
4、Aが乙土地に設定された抵当権を放棄した後に、甲土地に設定された抵当権が実行された場合、Aは200万円の配当を受け、Cは300万円の配当を受けることができる。

16
こたえ
誤っているものは
『3』
3、誤っている
先に乙土地に設定された抵当権が実行された場合、Aは600万円の配当を受け、その後に甲土地に設定された抵当権が実行されたときには、Cは300万円の配当を受けることができる。

17、不当利得に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは、後記の選択肢のうちどれか。

ア.債務が存在しないにもかかわらず、その事実を過失により知らないで債務の弁済として給付をした者は、その給付したものの返還を請求することができない。

イ.抵当権者は、自己の抵当権が設定された不動産について競売がされた場合には、不動産競売事件の配当期日において配当異議の申出をしなかったとしても、債権又は優先権を有しないにもかかわらず配当を受けた債権者に対し、その者が配当を受けたことによって自己が配当を受けることができなかった金銭相当額の金員について不当利得返還請求をすることができる。

ウ.建物賃借人との間の請負契約に基づき、請負人が建物の修繕工事をしたが、建物賃借人が請負代金を支払わないまま無資力となった場合において、建物賃貸借契約に建物の修繕工事の費用は建物賃借人が負担するとの特約があるときは、建物賃貸人である建物所有者が対価関係なしにその工事に要した財産及び労務の提供に相当する利益を受けたかどうかにかかわらず、建物所有者は、法律上の原因なくしてその利益を受けたことになる。

エ.金銭の交付によって生じた不当利得の利益が存しないことについては、不当利得返還請求権の消滅を主張する者が主張・立証責任を負う。

オ.不当利得における悪意の受益者は、損失を被った者に対してその受けた利益に利息を付して返還しなければならないが、その者になお損害があるときは、不法行為の要件を充足していないとしても、その者に対してその損害を賠償しなければならない。

1、ア ウ 2、ア オ 3、イ ウ
4、イ エ 5、エ オ

17
こたえ
正しいものは
『4』
イ.正しい
抵当権者は、自己の抵当権が設定された不動産について競売がされた場合には、不動産競売事件の配当期日において配当異議の申出をしなかったとしても、債権又は優先権を有しないにもかかわらず配当を受けた債権者に対し、その者が配当を受けたことによって自己が配当を受けることができなかった金銭相当額の金員について不当利得返還請求をすることができる。

エ.正しい
金銭の交付によって生じた不当利得の利益が存しないことについては、不当利得返還請求権の消滅を主張する者が主張・立証責任を負う。


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