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2018年12月14日21:55

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世界的反グローバルの波そんな中、新自由主義に走る日本

世相を斬る あいば達也 2018/12/13


ブレグジット、トランプ政権、EU反緊縮の波、マクロンの迷走、メリケルの衰退‥等、世界では、いき過ぎたグローバル経済体制の弊害に気づいた庶民層からの抵抗と悲鳴が、国政選挙の結果として反映されることが明確になっている。



それはそうだ、マネーがマネーを引き寄せるグローバル経済体制によって、世界の富の30%近くが、0.01%の人間に集中するのでは、庶民は堪ったものではない。各国政府が、その弊害の是正に、多くの政策を盛りこんでも、本質的ムーブメントを変えることは困難で、格差は拡大の一途をたどっている。

一大イデオロギーとなったグローバル経済体制は一時、世界を制覇したかに思えたが、トマ・ピケティの『21世紀の資本』以降、潮流が変わった。2011年オキュパイ・ウォールストリート活動にも大きな影響を与え、リベラルの主張と呼応し、バーニー・サンダース現象なども惹き起こした。



この、あまりにも横暴で、金融資本の動きを後押しし、節操なく貧富の格差を生みだす、新自由主義的なグローバル経済体制は、春の宴の終焉が近づいていることを示唆していた。

階層的に、99%の市民と認定された人々は、半市民であり、準奴隷と云う扱いで、それらの国家に帰属する奇妙な世界秩序が出来つつある進行形の中で起きている。



新自由主義の学者・竹中平蔵などは、99%にもチャンスは与えている。能力さえあれば、1%に属することが可能なので、社会的階層などは幻想で、努力ひとつで、市民になれるし、奴隷からも解放されると。しかし、万に一人が救われるシステムは、社会的システムとは言えないのである。それは偶発的現象に過ぎない。

ナショナリズムと云うものは、国家や民族があるかぎり、常にその国や民族間に存在するものである。問題は、それが内的なものか外的なものか、或いは、他の存在への攻撃性か、寛容性かがある。本日は、このナショナリズムの概念に関する議論は省略するが、グローバル経済体制に対して対峙する概念が、国家主義的考えで、トランプ大統領は保護主義、一国主義を主張しているわけである。



無論、軍事的覇権は固持するという姿勢なので、中途半端なナショナリズムだ。いずれにせよ、世界は二分される状況で、広い意味のナショナリズムと新自由主義がギシギシ音を立てて鬩ぎあっている。

ところで、上述のような世界の流れの中、コウモリのように世界の潮流の中で彷徨い漂っている国家がある。恥ずかしながら、安倍政権の日本だ。TPP,日欧EPA、日米FTA、移民拡大‥等、グローバル経済体制に前のめりだ。



あらかじめ決めてしまった計画は、“今さらやめられない”という、しがらみ政策国家だ。或る意味で、一時のソ連社会主義共和国連邦の計画経済のようである。つまり、テクノクラート(官僚)の強い国ほど陥りやすい過ちの方程式だ。

無論、上述の範囲であれば、グローバル経済体制堅持の国家なのだなと認定して良いのだが、どうも、この安倍政権の生まれ育ちには、ボーダレスな国家の垣根を外して、新自由主義的な経済で生きていく、そういう一貫性が乏しい側面が多すぎる。



安全保障では、国家第一と保護主義なアメリカに諸手を上げて賛同している。アメリカの要求に応じて、身分不相応な装備品を購入する決定もしている。グローバル経済にもかかわらず、イランとの重要な取引は停止し、韓国との関係はナショナリズム関連問題として、慰安婦、徴用工問題は泥沼化している。

ごく最近までは、中国関係も、韓国同様に、ナショナリズム関連で、首脳同士の行き来もかなわず、冷え込んでいた。しかし、アメリカの保護主義が明確になった反動として、日中両国は、ナショナリズムを横において、グローバル経済体制の維持に奔走している。



しかし、防衛省は、火事場泥棒のように、仮想敵中国を前提に、実は役にも立たない装備品を、アメリカから購入している。国際的におけるご都合主義と、官僚の描いた図面は、データを改竄してでも正当性を持たせて実行してしまう“今さやめられない”を連発。グローバリズムとナショナリズムの二頭を追い、のっぴきならない国になっているようだ。消費増税では、選挙目当ての“騙し絵”軽減策が、蜘蛛の子を散らすように乱発されている。醜悪の極みだ。

≪ FINANCIAL TIMES
有力な政治家はたいていそうだが、フランスのマクロン大統領も評価が真っ二つに分かれる人物だ。
 

同氏を嫌う人々は、最近の一連のパリの抗議デモを見て、極めて問題の多い大統領であることが明らかになったと言う。一般国民のことが分かっておらず、傲慢で、今や時代遅れとなった新自由主義的な政策を押し進めている、と。対照的にマクロン支持派は、自分たちの英雄はこの難局を乗り切れるし、今でも国を変えるだけの力がある大統領だと主張する。だが、どちらの評価も説得力に欠ける。

■EU改革も国際秩序回復への期待も消える
マクロン氏は、確かに立派な人物だ。フランス経済に構造改革が必要だと判断したことは正しいし、国際主義の必要性を果敢に主張してきた。しかしマクロン氏は厳しい現実に直面している。「黄色いベスト」運動と呼ばれる暴力的な抗議活動により深刻な打撃を被っているうえ、そのために早々と政策を撤回したことで彼の指導者としてのイメージも傷ついた。

実際、この1週間の出来事によってマクロン政権は骨抜きになり、当初の公約を実現することは難しくなる可能性が高い。

その理由を理解するには、マクロン氏の政策のカギを握る「国内の経済改革」「EU(欧州連合)の統合深化」「国際秩序の在り方」という3つの要素について考える必要がある。これらの要素は互いに関係し合っている。

マクロン氏がフランスを改革できるという力をしっかりと見せることができれば、ユーロ圏共通予算構想の実現という統合深化への重要な一歩に向けてドイツを説得することができるという期待があった。そして、EUの改革が進み、EUがより結束した強固な存在になれば、現在、米国から中国に至るまで世界中で復活しつつある国家主義の勢力を押し戻すことができたかもしれない。だが、マクロン氏の国内改革が困難になれば、彼が国際社会でなし遂げようとしていた計画も頓挫することになる。今起こりつつあるのは、まさにそういうことだ。

マクロン支持派の人々が、同氏は既に複数の重要な改革を実現してきたと指摘するのは正しい。フランスの硬直化した労働市場の改革をいくつか押し通し、これにより雇用の創出は容易になったはずだ。強い力を持つ国鉄労組からも重要な進展を勝ち取った。しかし、こうした改革によって生まれた、さらなる改革も進められそうだとの機運は、今や失われてしまった。燃料税の引き上げは撤回せざるを得なくなった。マクロン氏は恐らく、デモの参加者をなだめるべく、今以上に甘い妥協策を約束することになりそうだ。

さらに深刻なのは、将来のために計画されていた重要な年金・医療制度改革の実現ももはや難しそうなことだ。そのため、フランス政府の規模を縮小し、財政を立て直し、経済を再び成長路線に乗せるという目標の達成も難しくなると思われる。

それどころか歴代の仏大統領と同様に、マクロン氏も国民の抗議デモを前に改革を断念した大統領として名を残すことになりそうだ。減税と公的サービスの充実の両方を求めるという本質的に矛盾したフランス国民の問題は、解決されそうもない。

むしろ事態はさらに悪化する可能性がある。抗議活動と街頭の騒乱は何カ月も続く可能性があり、そのことが危機が永続するのではないかとの雰囲気を生み出しているからだ。また、各都市の騒動が早々に終息しても、今や極右か極左の次期大統領が誕生する危険性は明らかに高まっている。

■マクロン氏の苦境を喜ぶトランプ米大統領
フランスのこうした事態を目の当たりにして、ドイツがマクロン氏が描く野心的なEU改革に同意することはもはやないだろう。10年に及ぶ南欧諸国の経済危機を通してドイツの政治家たちは、自国の納税者からはあまり働かないように見えるユーロ圏内の債務返済能力の劣る国々を支えるためにドイツの納税者の資金を出し続けることになりかねない「財政移転同盟」的な制度には、非常に懐疑的だからだ。

マクロン政権下でフランスが活力を取り戻し、成果を上げていたなら、ドイツ(およびオランダなどの北部欧州の国々)のこうした懐疑論を抑え、フランスが唱えるユーロ圏共通予算構想の実現に近づけたかもしれない。だがパリ街頭の様子を見て、フランスはやはり改革などできない国なのだ、とのドイツの偏見はさらに強まったはずだ。

もっとも実のところ、黄色いベスト運動が激しさを増す前から、仏独関係は冷え始めていた。ドイツ政府はマクロン氏を実現できそうもない理想を根拠もなく掲げる人物としていら立ちを深めていた。一方、フランス政府はドイツ政府のビジョンのなさと寛容な発想のなさに不満を募らせていた。

これらすべては世界にも影響する。マクロン氏は大胆にも自らを「反トランプ」と位置づけ、国際協調主義の旗手を自認していた。米国が離脱した気候変動に関するパリ協定の擁護も積極的に訴えてきた。撤回したが、燃料税引き上げも、気候変動対策に積極的なマクロン氏の考えから誕生したものだった。

また、マクロン氏は11月にパリで開催した平和フォーラムで、その数日前に自分をナショナリストだと宣言したトランプ米大統領を名指しこそしなかったが、国家主義者はよくないと批判した。トランプ氏は今、マクロン氏の苦境を楽しんでいるらしく、ツイッターに「フランス中で抗議活動と暴動が起きている」とうれしげに投稿した。疑わしい話だが、フランスでも「我々もトランプがいい」とシュプレヒコールを連呼する人々がいると同氏は書いている。

■フランスを率いるのは不可能な仕事
しかし、トランプ氏はフランスではなく米大統領官邸にいるという点で幸運だ。フランスという国を率いることは、誰がやっても不可能との様相が強まっているからだ。歴代大統領も、やり方はそれぞれ違ったが、みな国民に嫌われ退任した。サルコジ元大統領は「派手すぎる」と非難され、オランド前大統領は「あまりに凡庸」と責められ、今、マクロン氏は「偉そうにしすぎる」と批判されている。

マクロン氏が、このフランスで繰り返される陰鬱な悪循環を打ち破っていたなら、国際社会での信頼度は急上昇していただろう。自由主義的価値観の世界的擁護者となっていたかもしれない。世界は今、そうした擁護者を切実に必要としている。

しかし、もはやマクロン氏が世界を救える見込みはほぼなくなったようだ。大統領の座を守れれば御の字だ。
≫(By Gideon Rachman (2018年12月11日付 英フィナンシャル・タイムズ紙 https://www.ft.com/

https://blogs.yahoo.co.jp/panaponnniwa/16597241.html
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