誤解を増幅する記事

薬を処方された方の体験を否定する意図はまったくない。ただし、この記事にどの薬で副作用が出たのかが全く記述されていないことで、書かれた人の体験が「一般論」として広まることは危険だ。

　僕は医者ではないからどのようなメンタル・ヘルスの症状でどの薬が処方されるのかには言及できない。また、イギリスと日本では、一般に販売される薬の名前が、同じ薬でも違う名前で販売されることもありうる。

　ここまで「薬」と書いたのは、記事での体験を引き起こしたであろう薬がどの「抗うつ剤」なのか、それとも「抗うつ剤」と思いこんでいた「抗精神薬」なのかが全く記述されていないから。

　精神病院の閉鎖病棟で臨床経験を積んでいた時、「抗精神薬」の副作用は多いので、血圧、腎臓機能、そして体重増減などを患者一人一人について毎日確認していた。薬によっては、妊娠可能とされる年齢の女性患者には処方しないというものもある。

　イギリスの場合、初期診療段階で受け付けるうつ症状の場合、「抗精神薬」が処方されることはとても稀で、ほぼ「抗うつ剤」になる。アディクションになる可能性、また不眠になる可能性はあるが、急激な体重増加の症例は少ない。

　専門治療レヴェルの深刻な「うつ病」になると、「抗精神薬」の処方になるだろう。なぜなら、「抗精神薬」は超強力な「鎮静剤」だから。

　医者が薬を処方するときに、薬の種類、そして効果、副作用は必ず確認することが大切。


意外と知られていない抗うつ薬で太る現象　「私はこれで○○Kg太りました」
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