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2021年01月11日20:13

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【夜伽】ヴィーナスの誕生(その12)

文化祭の二日目…天気は晴れ…けれども私の心は…私は登校するか否かを逡巡しました…
登校すれば、きっと男子に揶揄される…なおちゃんたちに何かされるかもしれない…

けれども登校しなければ、ポストカードの行方も分からない…

結局私は学校へと脚を運びました…

ポストカードがどうなるのか
…外壁画を誰が目にするのかが気になって…

一般公開の日でしたので、皆が接客に大わらわでした。

私も秋晴れのもとでクラスの縁日の手伝いをして気を紛らわしていましたが、時折顔をあげると、遠巻きに私たちの屋台を見ている一般の男性や男子生徒の気配に気が付きました。
私と視線が合うと、ある人は慌てて顔をそらし、ある人は引き笑いをあげながら立ち去っていく…
気づいていないふりをしていましたが 
〈きっとみんな 美術部の作品で私のことを知ったのだ〉
と 苦々しい気持ちになりました…

法被を着た同級生の影に隠れるようにしながら休憩を取り、屋台の当番で接客をしたりしながら ようやく文化祭の終焉を迎えました。

そのまま下校しようとしたのですが なおちゃんに呼び止められました。

「後夜祭、ちゃんと参加しなさいよ」

弱みを握っているなおちゃんに言われては逃げることはできません。

私はしぶしぶ後夜祭に参加しました。

校門を飾っていた装飾、その他の張りぼてや資材を薪代わりにしたキャンプファイヤーのような時間…炎にくべられる材料の中に、美術部の作品が入っていてくれないかと願っていましたが 思いは通じませんでした。

「きみ、ちょっといいかな」
ぽんっ、と肩をたたかれ、慌てて振り返ると、そこには見かけたことのない男子生徒が数人立っていました…

晩夏ですので正式な制服は着ていませんでしたが 学校指定の縫い付けの紋様の色を見て 背中に冷たいものがはしりました

〈緑の学年カラー…3年生…〉

受験期を迎えた3年生にとって文化祭は特別なイベント。けれどもわざわざ下級生が集まっている輪の中に入ってくるというのは…そして私を目指して足を運んできたというのは…

何人かいる上級生の一人が、背後の女子生徒 〜なおちゃん〜 に話しかけていました。

「ほんとうにあの娘?人違いだったら大問題だぜ?」
「間違いないですってば。この娘が…ヴィーナスですよ♪」

そんな会話が交わされていました。

そして…

「きみスタイルいいよね」
「こんな娘がうちの学校にいたなんて、3年生になるまで気づかなかったよ」

口々にそんなことを言いながら、私の周囲を取り囲んでいました。

応えに窮してうつむいていると

「後夜祭終わったら ファミレス、行こうよ、な?」

…私は背後にいるなおちゃんの気配に観念して 3年生の誘いに応じました…

女の子は私一人、あとは上級生の男子生徒が4、5人…

ファミレスではスィーツを口にしただけであとはもっぱら他愛のないお話ばかり
上級生の目は いずれも泳いでいて、声も震えがち…
それでいて 夏の制服を押し上げる私の胸元に視線を落としているのが分かりました…

ひとしきり他愛のない会話につきあわされた後、ファミレスと隣接していたカラオケボックスに…

扉を開けると 先客の喫煙の気配を感じる空気のイヤなにおい…
お部屋に入るとすぐに ドリンクやフードのオーダーを皆が済ませてしまいました。

私も知っている歌を唄いましたが 露骨にレザーのソファの上に立たされたりして 腰を下ろした男子が少しかがめば下腹部が見えてしまうような危うさでした…

しばらくしてドリンクとフードが届き、お店のスタッフが去ると、一人がお部屋の出入り口に立ちはだかりました
これで私は「かごの中の鳥」…一緒にいる先輩を満足させないと 帰してもらえないのだろうと悟りました

お部屋の中には隣の部屋で放歌する人たちの歌声や、ディスプレイのデモ映像から流れる 抑揚のないアナウンスなどがない交ぜになって聞こえていました…

唄っているときから、肩を組まれたりしてちょっと怖かったのですが、先輩の1人がリモコン操作をして、音楽を立て続けに予約して お部屋の外に声が漏れないような偽装工作がされてしまい、その上で…

尋問が始まりました

「キミ、名前は?」
「学年、クラス、出席番号」
「スリーサイズは?」
「つきあっている彼氏、いるの?」



顔から火の出るような質問もありましたが、私は彼らの機嫌を損ねないように、正直に答えました…否…

〈本当は私の事を既に知っているんだ〉

本能的に悟りました…
私の情報は なおちゃんや矢澤さんから吹聴されているに違いない、でたらめの回答をしたら もっと恥ずかしい仕打ちをされるかも知れない…
そう思って偽りなく応えることにしました

「彼氏はいるっていっても、えっちはまだだよね?もしかしてヴァージン捨てちゃったの?」

私は少し憤慨したふりをして首を横に振り、疑念を晴らそうとしました。

すると

「ふーん… でも、オナニーはしたことあるんだろ?」

私にとって触れられたくない質問が向けられました…

素直に
オナニーの経験があることを打ち明けました…

「想像以上に素直で正直なんだね」って皆がクスクス笑いだしました。

「情報通りだ…」と別の男子…
「おい!余計なこと言うなよ」とたしなめる別の人

「ここでオナニー、やってみせてよ。パンツは脱がないでいいからさ、ね?」

私の返事を待たずして、皆が床に“体育座り”をしてしまいました…

瞳をギラつかせて、私が一線を越えるのを待っているようで…

逡巡している私に
「気分が乗らない?それならこれはどう?」
そう言いながらリモコンを操作する人…
ディスプレイが白く輝き、誘惑のメロディが流れ出しました…
〈そんな〉


https://www.youtube.com/watch?v=O71eZSSEK8k

なおちゃんたちに受けた数々の辱め…その際にBGMとして使われた曲に歌詞がついていた…カラオケの歌曲にはいっているなんて…


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