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2021年01月11日18:51

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【夜伽】ヴィーナスの誕生(その10)

「ごめんなさい…男子から苦情というか、要望があったものだから…」

準備室で服を脱ぎ始めた私に差し出されたのは…

“安全カミソリ”

「あなたの手で…隠しきれないでしょ? “はみ出しているのが気になって仕方がない”って男子から云われて… はみ出す部分だけでいいから…」

私は促されるままに デルタゾーンの恥毛を…

掌を時折あてながら“こんな感じかな”という所まで剃り終えて、切り屑を机の上で纏めてゴミ箱に捨てようとしたら
「後始末は私がするから!」
部長が慌てたように私の手を遮って…

フォト


「みんな待ってるから…始めましょうか…」

怪訝に思いながら 部室に繋がるカーテンを捲ると、行く手を遮るように赤い学年カラーの上履きを履いた 〜1年生の〜 女子部員が待ち構えていて私をカーテンで包み込みました

「先輩、綺麗ですよね」
「モデルは天職なんじゃないですか?」
「さすが、上級生の身体は私たちとは違いますよね」
下級生だというのに、私を小馬鹿にしているというか、窮状に立たされている私を嘲るようなまなざし、心ない言葉を向けてくる後輩まで現れ始めて…それでも一糸まとわぬ姿になっていた私は〈これ以上馬鹿にされたくない〉と思って、必死に平静を装いました…

カーテンを掲げた下級生に促されてステージに出ると、乳房と下腹部を隠す「恥じらいのポージング」…

待ち構えていたように 〜乳房と下腹部を隠すのを待っていたのか無視していたのか疑わしいくらいの迅速さで〜 カーテンが取り払われて、作品制作…

そしてセッションが終わるとカーテンに包まれ ショーツを除いた衣類を返却される…

そんなことの繰り返しでした
結果、矢澤さん、というか 美術部に奪われたショーツは6、7枚になったのではないでしょうか…

ショーツのないまま 〜ノーパンに夏服のスカートのまま〜 ラッシュの電車に揺られながら帰宅していた私…

こんな事もありました…

モデルを務めることで心身疲れたまま、吊革につかまり、片手には鞄…

電車がカーブで大きく揺れたところで お尻にぞろりとした感覚が…
気にすまいと努めていたのですが、下腹部に感じるのはスカートの裏地が自然とこすれる感触とは異なっていました…

〈もしかして…〉

考えたくないことを私は考えてしまい、思わず背後を確かめようと振り返ったところ…
ピタリと背後に立っていたのは、スクエアの眼鏡をかけた、真面目そうなサラリーマン…

私は
〈違うよね〉
と祈るような気持ちで窓に目を向け、意識の外に男性を押しのけようとしました…

けれども…

「ひぅっ!」

夕暮れの電車…窓に映った私の背後には、例の男性の顔が…肩に顎を乗せんばかり 密着寸前になっていました…
たまらず身をこわばらせた私の耳に 息を吹きかけるように

「穿いていないんだ…じゃぁ、遠慮することないですよね」

言い終わるやいなや、スカートの生地が舞い踊る気配に続いて…

「んっ!」

声が漏れるのを堪えるのに必死でした…

「○○高校っていえば 真面目な生徒ばかりだと思っていたのに キミみたいな人もいるんですね」

息を吹きかけるように囁きながら 私の無防備のお尻をかき分け…さらに奥の秘めやかな場所に…

〈きゃうぅっ〉

「いやらしい女子高生にはお仕置きをしないとね…」



…!!!!

意識がはじけ飛び 気がつくと私は全身に汗を纏い、喘いでいました

それからどこをどう歩いたのか分かりませんが いつものように間違えることなく電車を乗り換え、自宅最寄駅のホームの階段を上っていました…

トイレに入り、スカートの薄布を整えたときに 脚の内側に淫らな体液が伝い落ちるのを認めて 私は戦慄したのでした…

そしてある日、部長から廊下ですれ違い際に呼び止められました…
差し出されたのは茶封筒…学校の最寄り駅に隣接しているショッピングモールで使える商品券が数枚入っていました…

「今まで恥ずかしい思いをさせてごめんなさい…これ…少しなんだけど遠慮しないで使ってね…下着、足りなくなって困ってるんじゃない?」

年頃の女の子同士だからこそ 気配りしてくれたのでしょう…奪われたショーツの弁償、ということだったのでしょうね…私はありがたく受け取ることにしました…



文化祭の本番まであと数日に迫った頃…耳にしたくない噂が流れてきました


「美術部名物の巨大絵画が凄いらしい…」

というものです…

矢澤さんの剣幕と なおちゃんの暗躍(?)に絡め取られて モデルの依頼を断れなかった私…美術部室という狭い空間で恥ずかしい姿をさらしていただけ、と勘違いしていた私は

改めて ことの重大さに気がつきました

全校生徒や先生、父兄、近隣地域や他校からの訪問者…そのすべてが 巨大絵画に描かれたスリップ姿の少女を目にするんだ、と…

不安に駆られた私は 校門近くで完成しかけている壁画を改めて見上げました…

巨大というほどではないものの 畳2〜3畳分くらいの大きさはあるような大きさの作品が…

ところどころブルーシートがかけられていて 全貌は見えません…顔が…見えません…

でも首から下は…

年頃の男子が目にしたら 理性を失うような…リアリティに富んだ仕上がりになっていました

「“ヴィーナスの誕生”はシークレットだから安心なさい」

声のする方を振り向けば 矢澤さんと…なおちゃんが愉快そうにこちらを見つめていました…

シークレット… 
トレーディングカードみたいなものですね、要するに「中身を開けないと分からない レアカードみたいなものが設定されていて、お客さんはムキになって商品を買い集める」
レアカードに設定されていたのが“ヴィーナスの誕生”の真似事をしていた私なのでしょう…

…絶望的な気持ちを隠しながら 私はクラスの出し物の準備に戻りました…

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