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2020年09月18日20:56

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『TENET』

クリストファー・ノーラン監督が満を持して送るSFスパイ・アクション『TENET テネット』を見て来ました。

もう、次のボンド映画の監督はノーランしかいません(笑)。
そのぐらい、007シリーズへのオマージュに満ちています。

※ご注意。ネタバレはしていませんが、映画の内容に触れる記述があります※

【物語】
キエフの国立オペラ劇場でテロが発生。
特殊部隊員であり、諜報員である”男”(ジョン・デビッド・ワシントン)は、仲間とともに劇場に突入するが、テロリストに捕らえられ、自ら命を絶つ。
しかし男は死んでおらず、テロは男をスカウトするための、ある組織によるテストであった。組織の目的は、未来から現在へと送られてくる驚異のテクノロジーと、来るべき世界大戦を阻止することであり、組織の一員となった男は、世界各地で繰り広げられる戦いに身を投じていく。

…クリストファー・ノーランは、「見たことのない映像を作り出す」ことに長けている映画作家であり、いつも新作を見るたびに驚かされてきましたが、今回も衝撃でした。それは映画でしか成しえない、映画館でしか得られない体験を作り出すのが得意ということで、映画の黎明期からテーマとしてあるものです。しかしこういう驚きを作り出せる映画作家は少なくなりました(かつでのスピルバーグはそうでしたが…)。

この映画は一見するとタイム・トラベルSFのようですが、実はそうではないことが分かります。土台にあるのはノーラン監督が愛してやまない数々の往年の映画、中でもスパイ・アクション、とりわけ007シリーズです。

主人公が銃弾の成分を辿っていくとアジア(インド)にキーパーソンがいるというのは『黄金銃を持つ男』。悪玉が豪華ヨットに本拠地を構えているというのは『サンダーボール作戦』。ラストの特殊部隊の総攻撃は『007は二度死ぬ』。撮影は『スペクター』のホイテ・ヴァン・ホイテマ。
同監督の『インセプション』もそうであったように、映画のDNAの根源はボンド映画です。

しかしその点は映画自体の面白さとはまた別物で、やはりクリストファー・ノーランという希代の映画監督の紡ぎだす驚異の映像とスケール感、語り口の面白さこそが『テネット』の価値です。

物語を追うために初回は通常スクリーンで見ましたが(上下に黒い天地の出るビスタサイズ)、デジタルではなく、70mm(65mm)フィルムで撮影された高密度な映像は、IMAX推奨であることは間違いありません。2回目はIMAXで見る予定です。

★★★★。
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