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2020年01月10日17:35

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30年前だったらSFだった 『パラサイト 半地下の家族』

カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞した『パラサイト 半地下の家族』を見て来ました。
カンヌのみならず、米国アカデミー賞での受賞も期待されるポン・ジュノ監督の新作です。


【物語】
半地下の住宅に暮らす、貧しい家族があった。
失業中の父(ソン・ガンホ)と妻(チャン・ヘジン)らの内職で何とか生活費を稼ぐ日々だった。
ある時、浪人生の長男(チェ・ウシク)が先輩のツテで家庭教師のアルバイトを紹介される。紹介された先は裕福な実業家の家庭で、娘である女子高生の受験勉強を見るというものだった。
実業家の妻(チョ・ヨジョン)に気に入られた長男は、さらに長女である妹(パク・ソダム)も家庭教師として雇わせ、父や母をも運転手や家政婦として一家に”寄生”させることに成功するが…。


…半地下で、掃きだめのような狭小住宅に暮らす一家が、高級住宅街の豪華な一戸建てに暮らす一家の生活に巧みに寄生していくブラック・コメディです。コメディといってもジャンルにひとくくりにできる映画ではなく、中盤以降は予測不能な怒涛の展開を見せ、一筋縄ではかない結末を迎えます。

是枝裕和監督の『万引き家族』が、ニセ家族なのに本物のような絆で結ばれた不思議な姿を描いていたのに対し、『パラサイト』の家族は本物の家族。したたかな戦略と逞しさで生きていく姿は、今村昌平監督の重喜劇のようでした。

格差の描写の極端さは、30年前であればSFかと見紛うほど。しかし土台にあのは現実的なもののようです。そう思わせる説得力も、確かにありました。

好みの分かれるポン・ジュノ監督ですが、これは良かったです。★★★★。

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