mixiユーザー(id:6327611)

2021年06月12日05:26

142 view

音楽ドキュメンタリーが“変なこと”になっている。ミュージックエア(324ch)で見たビートルズ関係ドキュメンタリーなど。

まず6月9日に放送した「ボブ・ディラン:ストーリー&ソングス」という30分番組を見ました。前半に歴史的事実を並べ、後半はネットで集計した“ベストテン”楽曲を紹介します。僕は映画のベストテンというものでさえ“実態から遊離した平準化”だと考えているので、ネットで募集した投票に関して“統計学的正確さ”すら危ぶんでいます。

とはいえ、30分(実質20分ちょい)という番組なので、そう目くじら立てる必要はないと、さらっと見てしまいました。つまり“手塚治虫の漫画ベストテン”で、歴史的な流れと全く関係ない“現在の人気”みたいな違和感を感じていますが、そのまま“流す”ことにしたわけです。「ボブ・ディラン:ストーリー&ソングス」に続いてザ・バンドとジャニス・ジョプリンについての30分(実質20分ちょい)もあり、まあそんなもんかという印象でした。

しかし翌日、「ビートルズ:ストーリー&ソングス」という番組に続いて、「ジョン・レノン:メッセンジャー」と「ジョージ・ハリスン:静かなるビートル」という1時間(58分か59分)のドキュメンタリーが放送されました。すでに似たようなドキュメンタリーをいくつか見ていますが、いちいち“証言者”を覚えていないから、新証言を楽しもうと見ました。

するとジョンとジョージのビートルズ時代について、とりわけインド音楽に傾倒した部分について、全く同じ編集で同じ映像が繰り返されたのです。どちらもスピロス・メラリスとレイ・サンティリの共同監督による作品なので、同じ歴史的事実を述べるのだから“間違い”ではありません。しかし2番組を続けて見た僕は、放送内容の2割程度を繰り返し見ることになったわけです。

こういう手法は“安易”すぎると僕は考えます。そもそもジョージに関するドキュメンタリーには主な証言者がジョージ・マーティンとマネージメント担当の友人、そして中学生時代の友人の3者がとっかえひっかえ出てくるだけ。その証言も「ジョン・レノン:メッセンジャー」に使用した部分が散見されるから、印象としては半分くらい“同じ内容”に思えました。

こういう“使いまわし”ドキュメンタリーは、やめてほしいな。ジョージが2001年11月29日に亡くなり、翌年の9月放送ということで準備期間が“短かった”と言い訳するのか? あるいはマーティン・スコセッシがプライベート映像も含めてほとんど“かっさらった”から、素材が足りなかったのか? どちらにしても僕には“醜い言い訳”としか考えられません。

そして、こんな内容のドキュメンタリーを続けて放送する“有料放送チャンネル”って、どうよ。たまたま僕は、スカパーとの“契約14周年特典”で16日間無料視聴できたからいいけど、正規の料金を払ってこれでは“ぼったくり”だと思いますよ。

つまり、ここにも資本対効果というマネーシステムの必須命題が優先されているわけです。冷戦終結以後、金が全てという資本の論理が“作品制作”の世界にまで蔓延しました。そのためドキュメンタリー制作という、本来世の中の間違いを暴く世界にまで、資本の論理が大きな顔をしています。恥を知れ、と言いたい。

そうは言うけれど、今はなきミュージシャンたちの動く映像と懐かしい歌声には、つい釣られてしまいます。でも、よいこの皆さんは気をつけてくださいね。時間の無駄遣いは“贅沢な行為”ではあるけれど、作り手の経済原理から無駄遣いさせられるのに対しては、明確に“NO”を突きつけてやりましょう。
4 4

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2021年06月>
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930