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2021年03月05日04:51

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だからテレビのミニ・シリーズに期待しちゃダメだと言うのに。スザンネ・ビア監督「フレイザー家の秘密」(2020)。

HBOの全6回シリーズです。監督がスザンネ・ビアだから見ましたが、そろそろこの監督を見限ろうかと感じています。HBOなので、1時間前後の正味時間で6回となります。50分をわずかに切る回もあれば、67分という回もある。とりあえず連続物でして、各話のラストに“意外な展開”を匂わせるという構成で、最後まで引っ張られました。

物語は、富豪の娘グレイス(ニコール・キッドマン)と結婚し、小学生高学年の息子を持つ小児科医ジョナサン(ヒュー・グラント)が、患者の母親と不倫した挙げ句その母親を惨殺したという容疑で警察から追われるという展開です。原題が「The Undoing」ということで、誰かがなすべきことをなさなかったという意味に捉え、キッドマンとグラントはもちろん、富豪である父親(ドナルド・サザーランド)やグレイスの息子などを疑ってかかりました。

そういう意味で、とりあえず次回は見ようという気にさせます。だからといって、結末で“ああ、そうだったのか”というカタルシスがない。せいぜい“おいおい”でした。とはいえタイトルバックに流れる“Dream a Little Dream of Me”というスタンダード・ナンバーに懐かしさを覚え、でもこの歌手はだれじゃい?と思ってたら、ニコール・キッドマンさまでした。

僕みたいにキッドマンに“さま”という敬称をつけたくなる人間以外は、この映画を見ても時間の無駄だと思います。“さま”をつけている僕でさえ、3話くらいで止めようかと思ったのです。でも半分見てしまったら“乗りかかった船”ですからね。そのまま乗り続けました。

さらにこのシリーズは、今年度ゴールデングローブ賞の候補にあがりました。しかし全て外したのも当然でしょう。見終わった今ならそう断言できます。しかし途中までは、キッドマンとグラントのどちらが犯人なのか、あるいは曲者ジジイのサザーランドがすべての糸を引いているのかとか、意味ありげに登場するエドガー・ラミレスの刑事や、キッドマンの友人(ママ友)である弁護士リリー・レイブなどの関係ありそうで結局という描き方に釣られました。

最後は“6時間引っ張ってこれ?”という結末です。一癖も二癖もありそうな脇役たちは、みんな“意味ありげ”なだけでした。だったらもっと夫婦間の恋愛感情に絞って、2時間以内でスキッと見せてくれよと思う(実際再編集したらそれでまとまりそうです)。被害者を演じたマティルダ・デ・アンジェリスの色気で売りたいなら、第1話で殺すことなく(そしてフラッシュバックというもったいをつけずに)もっとストレートにサービスせんかい!

とりあえずスザンネ・ビア監督に対しては、アメリカで稼いで自国に戻って作りたい映画を作ってねと申し上げて、僕は彼女としばらく距離を置きたいと思います。←別に親密な関係ではなかったんですけどね。でも、こうやってHBO作品に次々失望していくと、スターチャンネルと契約切る日も近いかな。←政界スキャンダルとは無関係です。念の為。

ということで、散歩するときは防犯カメラに映らないようにしましょう。あるいは、そんな姑息な方法で物語を横道へそらす映画は、見ないようにしましょう。
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